京都発、再生素材の新たな可能性
2025年に開催される大阪・関西万博へ向けて、京都を拠点とする株式会社colourloopと大原パラヂウム化学株式会社が共創し、再生素材を使用した撥水ベンチを開発しました。今回は、この取り組みがいかにして進められたのか、また持続可能な社会への貢献がどう実現されているのかを深掘りしていきます。
再生素材と化学技術の融合
colourloopは、廃棄繊維を加工したアップサイクル素材TEXLAM®︎を主成分として、環境に配慮した新しいベンチの開発に挑戦。大原パラヂウム化学の協力のもとで、そのTEXLAM®︎に撥水加工が施されることで、素材性能が一層向上しました。この撥水加工には、非フッ素の環境対応型撥水剤「パラヂウムGS」が使用されています。
大原パラヂウム化学は、環境負荷が少ないこの撥水剤をもとに、繊維に対して高い撥水性と防汚性能を実現しました。その結果、衣料品やインテリア、建材への幅広い応用が期待されています。
共同での技術連携
万博会場へのベンチ設置に向け、colourloopと大原パラヂウム化学は、撥水加工の実装について共同で取り組んできました。両者は京都に本社を持ち、持続可能な製品への取り組みを共通の目標としています。このような企業同士の連携は、万博のテーマにも通じるもので、再生素材を用いた未来的な製品づくりの重要な一歩となります。
撥水性能の試験と準備作業
撥水加工の実施にあたっては、事前に数回の実験が行われました。繊維素材の特性を考慮し、撥水剤がしっかりと定着するか、風合いが損なわれないかを入念に評価しました。結果として、パラヂウムGSは他の撥水剤と比較して優れた性能を発揮することが確認されました。
塗布作業は、一つ一つのTEXLAM®︎に手作業で行われ、細部にわけて品質管理を徹底しました。これにより、ベンチの機能性が高められ、万博での実展示に向けた準備が整いました。
環境配慮型社会の実現に向けた一歩
このベンチは、万博という国際的な舞台で詳細が披露され、人々が環境への意識を新たにし、再生素材の可能性を目の当たりにする機会となります。project是両社の協力の特徴とも言える『再生素材が主役になる』社会の実現へ向けた挑戦です。
さらに、このプロジェクトで得たノウハウは、家具や内装、建材といった他の分野への応用も視野に入れており、循環型社会への貢献が期待されています。一般の方々にとっては、直接すぐ触れる体験ができる貴重な機会でもあり、多くの支持を集めることでしょう。
クラウドファンディングへの挑戦
なお、ベンチ制作にはクラウドファンディングを通じて資金を募っています。「再生素材の主役化」を目指すこの取り組みに共感いただければ、ぜひ支援を検討してみてください。持続可能な社会への第一歩は新しい素材の開発から始まります。これからも注目し続けたいプロジェクトになるでしょう。
企業の背景
大原パラヂウム化学株式会社
大原パラヂウム化学株式会社は、1926年創業の化学品メーカーであり、『快適住空間の創造』をミッションに掲げています。持続可能な製品を提供することを目指し、環境への配慮とサステナビリティを重視した技術開発を進めています。
株式会社colourloop
株式会社colourloopは、廃棄繊維のアップサイクルを行う企業であり、循環型社会の実現を目指して、独自の技術を開発しています。さまざまな新素材の提供を通じて、持続可能な社会の実現に寄与しています。