コロナ禍の働く人々の心情変化
株式会社ジェイフィールが2021年1月に実施した調査によって、コロナ禍における働く人々の心情の変化が浮き彫りになりました。この調査は、2020年4月の緊急事態宣言最初の時期にも行われ、約1年間を通じての変化を検証しています。
リモートワークの普及により、さまざまな世代間での「働く感情」が変化を見せています。例えば、充実した自分の時間を持って生き生きと働く30代と、上司の曖昧な指示に不安を感じている20代若手社員との間には明確なギャップが存在しています。また、孤立して奮闘している40-50代の管理職も多く見受けられることから、従業員の忠誠心が企業から離れていく傾向も見えてきました。
特に注目すべきは、新人育成に対する課題です。調査では、50%以上の回答者が「新人とは一緒に働いている感覚が薄い」と答えており、コロナ禍の影響によるコミュニケーション不足が明らかになっています。これからの企業に求められるのは、新人と一緒に仕事をする感覚をどのように取り戻すかという点です。
調査の概要
この調査はインターネットを通じて行われ、対象者は全国の従業員数300人以上の企業で働く正社員です。サンプル数は310名であり、部長や課長クラス、一般社員などを含む多様な職層を対象としています。
実査は2021年1月7日から8日まで行われ、その結果を基に、コロナ禍の影響を受けた働く人々の感情や企業環境について深く分析しました。
主な調査結果
1. 感情の変化
コロナウイルス感染拡大以前は、環境の変化をチャンスと考える人が多かった一方で、時間が経つにつれて不安感やあきらめ感が広がりました。テレワークによるコミュニケーション不足に苛立ちを感じている人も多く、以前のような雑談がしづらくなったという意見が多数挙げられました。
2. マネージャー層と一般社員層のギャップ
マネージャー層は、仲間との連帯感を持ちながら苦難を乗り越えようとしていますが、係長や一般社員層には不信感が強いことが分かりました。マネージャーは一人で奮闘しなければならないという責任感から孤立感を感じているようです。
3. 年代別のテレワーク状況
30代が新しい人とのつながりを増やし、学習機会を生かしている一方、全世代を通じてコミュニケーションの難しさが増していることは共通の課題です。
4. 従業員規模別のコミュニケーション
小規模な企業では上司と部下のコミュニケーションが不足している状況が見られ、大企業では将来へのビジョンについて話し合う機会が増えていることが示されました。
5. 今後のマネジメント概要
若手社員は「明確な指示」を強く求めており、上司のあいまいな指示が業務に影響を及ぼしていると考えられます。また、「多様性を受け入れること」が高く評価される傾向も見られました。
まとめ
コロナ禍の1年は、働く人々の心情、市場の流動性、企業の育成への姿勢に多大な影響を与えました。調査結果を元に、企業は今後どういった方向に進むべきかを考える必要があります。柔軟な対応と、効果的な新人教育の必要性が求められています。新しい常態となる環境にどのように適応し、コミュニケーションを改善するかが、今後の鍵となるでしょう。
更なる詳細については、調査結果の公開ページをご覧ください:
調査詳細