民宿「雪の荘」のリブランドオープン
長野県白馬村において、宿泊施設運営を手掛けるH2Innovator合同会社が、来たる2024年12月に民宿「雪の荘」を新たにリブランドし、再スタートを切ります。このリニューアルは、白馬村の深い文化的背景と持続可能なホスピタリティを融合させたものです。
日本民宿文化のルーツ
白馬村は「民宿発祥の地」として知られ、現在まで900軒近くの宿泊施設が運営されています。大正時代から山岳ガイドや農家が自宅に訪れる人を泊まらせたことが、今日の民宿文化の起源となっています。白馬では、自家製の米や野菜を使った郷土料理が楽しめ、怪我をした際には宿の人が迎えに行くという、家庭的で温かいホスピタリティ精神が根付いています。この精神は、90年以上たった今でも変わらず生き続けています。
「雪の荘」の歴史
「雪の荘」は創業70年以上の歴史を持ち、三代にわたって多くの登山者やスキーヤーを迎え入れてきました。この長い歴史の中で培われた民宿文化は、国連世界観光機関(UNWTO)から「ベストツーリズムビレッジ」として認定された一因ともなっています。
持続可能な宿泊業の推進
H2Innovatorは「Hakubaが持つHospitality」でのイノベーションを促進するために、「雪の荘」をゲストハウススタイルに変換し、多様なニーズに応える宿泊施設として運営します。特にインバウンド客や長期滞在の客層へアプローチし、地域の人々と交流できるような場を提供することを目指しています。2024-2025スキーシーズンの予約稼働率は現在85%に達しています。
地域課題の解決策
1.
運営受託方式の導入: H2Innovatorは宿泊施設の不動産を持たずに、運営に特化することでコストを抑えつつ、各施設の収益向上を図ります。
2.
「宿主」制度の設立: 家族経営を中心とした小規模宿泊施設の運営のため、未経験者でも経営に挑戦できる「宿主」制度を導入し、ホスピタリティ人材の育成を目指します。
3.
ワーケーション対策: 「住むように滞在する」スタイルにも対応し、長期滞在者の住居不足にも配慮したサービスを展開する予定です。
4.
食文化の充実: 地元の人気レストラン「かっぱ亭」を冬季限定で誘致し、白馬での特別な食文化体験を提供します。これにより、インバウンドスキーヤーの「夕食難民」を解消することを目指します。
「雪の荘」の詳細
「雪の荘」の位置情報や施設の詳細も発表されており、宿泊施設の客室は和室13室とドミトリー16ベッドを完備し、最大で52名を収容可能です。また、食事空間にはレストラン「ゆきの亭」を設け、白馬の地元食材を生かした料理を提供します。
代表者のビジョン
H2Innovatorの代表、山口聡一郎氏は、白馬の宿泊業の活性化に向けた強い想いを持っており、彼自身の豊富な経験を生かして地域に貢献する意欲を示しています。
このリブランドオープンは、白馬村の独自文化を未来へと繋ぐ重要な一歩となるでしょう。「雪の荘」がどのように地域と観光客を繋げるか、今後の展開に目が離せません。