建築業界におけるAI活用の最新事情
最近、建築業界の経営者を対象に行われた調査で、AIの組織内での浸透が進んでいることが明らかになりました。本稿では、その調査結果をもとに業界の動向や、経営者たちが抱える新たな課題を探ります。
調査背景と目的
建築業界のAI経営研究会(運営:株式会社LIFEFUND)は、2026年4月に建築・建設業の経営者53名を対象に「建築AI経営実態調査2026」を実施し、その結果を2026年6月に再調査として更新しました。この調査は、経営者のAI活用状況を追跡することを目的とし、単発の調査では捉えられない「変化の方向と速度」を理解するためのものです。
AIの社内浸透が進行
調査の結果、AIの社内浸透が徐々に進んでいることが判明しました。以前は「何から始めるべきか」という悩みが主な課題でしたが、今では「どうやって社内に浸透させるか」が焦点となっています。この変化は、経営者たちのAIに対する関心の高まりを反映しています。
3ヶ月間での変化
1.
全体的なAI活用レベルの上昇:AIの全社活用が進んでおり、活用レベルが43.4%から61.3%に増加しました。特に「全社標準活用(Level 3)」は約三倍に増加し、大きな進展が見られます。
2.
Claudeの急拡大:AIツールとしてのClaudeが急速に導入され、有料利用率は71.0%に達しました。これに伴い、ChatGPTの利用は減少するという逆転現象が起きています。
3.
経営者の課題の変化:これまでの「何から始めるか」という課題から、「現場や社員がついてこない」という課題へとシフトしています。
4.
投資に対する姿勢の変化:経営者たちの投資姿勢は積極化しており、AI活用への投資を決断している割合が過半数に達しました。
5.
AI人材の優先順位:AI人材の採用基準が明確になり、重要視されるようになっています。
AIに対する経営者の認識の変化
調査データからは、AIが期待される道具ではなく、業績を変える武器として認識され始めていることが読み取れます。また、AI活用の効果を実感している経営者も増加しています。
次のステップと今後の展望
建築業界では、AIの利活用が新たな局面に入りました。経営者たちはAIをどのように全社に根づかせ、成果を測るかに注力しています。これまでの調査では、新しいAI業務改善サービスに参加する意向を示す経営者が77%を超え、実践的な学びの場を求める声も増加しています。
結論
建築業界は人手不足に直面していますが、AIを利用することで新たな経営手法を模索する動きが広がっています。建築AI経営研究会は、今後も業界の動向を定点観測し、変化を可視化していく予定です。
調査概要
1.
調査名:建築AI経営実態調査 定点観測レポート(2026年3月→6月)
2.
調査主体:建築AI経営研究会(運営:株式会社LIFEFUND)
3.
有効回答数:2026年3月調査 n=53 / 2026年6月調査 n=31
4.
回答者属性:83%が従業員29名以下の中小企業
このような調査結果は、今後の建築業界のAI活用における重要な指標となるでしょう。