創業400年の伝統を受け継ぎ福光太一郎が新社長に就任

創業400年を迎えた福光屋

石川県金沢市で創業400年を誇る株式会社福光屋は、2025年8月22日付で新たな代表取締役社長として福光太一郎氏を迎えることを発表しました。福光太一郎氏は創業以来14代目の当主となり、前任の福光松太郎氏は代表取締役会長に就任します。

新体制の背景

新社長の福光太一郎氏は、1978年に金沢市で生まれ、2010年に福光屋に入社。入社からわずか2年後の2012年には取締役専務に就任し、経営に深くかかわってきました。これまでの経験を生かし、今後は酒造りの現場をリードしていくとともに、時代の変化に適応しながら新しい生活文化を創造することに専心する方針です。

福光屋の歴史と伝統

創業は1625年、福光屋は「伝統は革新の連続なり」をモットーに、日本の酒文化を支えてきました。特に1960年からは自社で契約栽培した酒米の生産を行うなど、品質を重視した取り組みを進めています。山田錦、金紋錦、フクノハナといった高品質の酒米を育て、2008年には有機認証を取得するなど、自然と共生し見事な酒を生み出しています。

また、福光屋の酒造りに欠かせない素材である水は、霊峰白山の麓で長い時間をかけた「百年水」を使用。発酵に適したミネラルを含んだこの水は、酒の風味を形成する重要な役割を果たしています。

発酵の神秘と挑戦

福光屋は、目に見えない微生物による発酵プロセスに着目し、伝統的な技法を現代に生かしながら新たな挑戦を続けています。この考えは、酒造りを行う上での大切な指針に位置づけられており、代々受け継がれる技術と理念を基に、発酵の可能性を追求しています。

新たな時代への決意

新社長福光太一郎氏は、創業400年という大きな節目において、これまでの伝統を守りながらも革新を取り入れていく姿勢を強調しています。酒造りの根源である「米」「水」「発酵」を大切にし、皆様に愛される日本酒の生産に努めていくことを誓っています。未来の酒文化を担う存在として、福光屋はさらなる成長を目指します。