金澤やまぎし養蜂場と新成分「Hocacy」
昭和5年に創業した老舗の金澤やまぎし養蜂場株式会社が、海外の研究機関との共同研究を通じて新たな多糖類成分「Hocacy」を発見しました。この成分は、呼吸器症状の改善に役立つ可能性があると言われています。2025年7月下旬には、東京・銀座で開催される「はちみつフェスタ」にて、この新成分を使用した試作品のお披露目が予定されています。
共同研究の背景
金澤やまぎし養蜂場は、創業100周年を見据えた新たな挑戦の一環として、中国医学科学院の研究機関と連携し、キャロブ(イナゴマメ)を対象にした研究を進めてきました。キャロブは、地中海沿岸で長い歴史を持ち、近年では代用チョコレートとしても注目を集めています。この研究では、キャロブから「Hocacy」を抽出することに成功し、その多様な生理活性が明らかになりました。
Hocacyの特性
「Hocacy」は、ガラクトースとグルコースが特定の結合で構成された多糖類で、高い生体親和性を持っています。さらに、莢、果肉、種子すべてが食用として利用可能で、安全性も確認されています。この成分は甘味を持つため、シロップ状での摂取が容易です。現在は、神戸大学との共同研究により、呼吸器系における粘膜の修復や免疫細胞のメカニズムが解明されつつあります。
研究の成果
中国の薬用植物研究所との動物実験によると、「Hocacy」は咳反射の過敏性を低下させ、気道粘膜の分泌を改善する作用が確認されています。この結果は、鎮咳・去痰効果が期待できることを示しており、呼吸器症状の緩和に貢献する可能性があることが示唆されています。さらに、免疫を司るT細胞の増殖・分化を促すことも分かり、体質の強化への寄与が期待されています。
新しい健康食品の意義
金澤やまぎし養蜂場は、これまでのはちみつの健康効果に加え、「Hocacy」という新成分を組み合わせることで、呼吸器系の不調改善に役立つ新たな健康食品を開発する計画です。特許として登録された調製方法に基づき、ライセンスをもとに事業化を進める予定です。「Carob & Honey」として、健康に寄与する製品を市場に提供することが目指されています。
未来への展望
金澤やまぎし養蜂場は「薬食同源」という理念のもと、植物由来の研究成分を商品化するプロジェクトに取り組んでいます。日々の食事から健康を維持し、長寿へとつながる栄養素を提供することを使命とし、様々な植物から有効成分を掘り起こす努力を続けています。今後の研究成果や新製品の発表に期待が高まります。
このように、「Hocacy」は新たな健康食品の可能性を秘めており、喘息や咳、痰などの呼吸器症状の改善に寄与することが期待されています。7月の「はちみつフェスタ」において、この新しい成分を体験できる機会は、大いに注目されるでしょう。