IUCN World Conservation Congress 2025 開幕
2025年10月、アラブ首長国連邦のアブダビで「IUCN World Conservation Congress 2025」が開催される予定です。この国際自然保護連合(IUCN)が主催するイベントは、4年に一度の開催で、世界中の環境活動家や政策提言者が一堂に会する機会です。日本からも多数の団体が参加し、日本委員会(IUCN-J)がブースを設けてイベントを盛り上げます。
IUCN Congressの意義
IUCN Congressは、生物多様性や持続可能な社会の実現に向けた政策提言や科学的知見の共有を目的としています。2022年のCOP15では196カ国が「2030年までに人と地球のために生物多様性の損失を止める」と合意しており、IUCN Congressはこの取り組みを加速させる重要な場となります。参加者は政府関係者、研究者、市民社会、NGO、企業など、1400人以上が見込まれ、多様な視点から議論を交わします。
特に、会期前半にはフォーラムが設けられ、自然保護と持続可能な開発に関する最新の科学や実践、イノベーションが議論されます。このフォーラムを通じて、各国の取り組みや成功事例が共有され、次なる戦略が見えてくることでしょう。
日本委員会の取り組み
IUCN-Jは、展示期間中に自らのブースを設置し、2026年に熊本で開催予定の第2回グローバルネイチャーポジティブサミットの告知を行うほか、我が国の環境保護活動や企業の取り組み事例を紹介します。また、株式会社竹中工務店技術研究所やNTT株式会社宇宙環境エネルギー研究所などの事例も紹介し、国内外の企業と連携した取り組みをアピールします。
未来の自然保護に向けて
IUCN Congressがもたらす政策提言や成果、さらにはネイチャーポジティブの実現に向けた新たなツールやイニシアティブについて、多くの関係者が注目しています。10月13日からはIUCNの最高意思決定機関である会員総会が開催され、今後4年間のリーダーシップを決める選挙や、重要課題に対する投票が行われます。
これらの決定は、世界的な保全政策に影響を与え、持続可能な社会の構築へ繋がることでしょう。今後もIUCN-Jは、生物多様性を守るための取り組みを続け、国際的な連携を深めていきます。
このように、IUCN Congressは自然保護に向けた大きな一歩を示す場であり、参加するすべてのステークホルダーが持続可能な未来を目指して共に進むことが期待されています。サミットの様子や新たな取り組みについては、今後も注目していきたいものです。