冷凍ホウレンソウ生産現場を訪問
2023年12月11日と12日の両日、パルシステム生活協同組合連合会の利用者たちが、宮崎県のイシハラフーズで開催された「公開確認会」に参加しました。この会は、利用者自身が生産者と直接対話し、農産物の生産履歴や安全性を確認することを目的にしています。
公開確認会の意義と背景
パルシステムは、直接産地から仕入れた農産物を提供することで知られていますが、安全性と品質を担保するために、利用者が生産現場を訪問する機会を設けています。利用者38名が現地に参加し、オンラインでも40名が参加しました。生産者のイシハラフーズは、年間で2000トンを超える冷凍野菜を提供しており、今回は特に冷凍ホウレンソウにフォーカスを当てました。
生産管理の一元化への取り組み
監査の一環として注目されたのは、イシハラフーズが独自に開発した「営農アプリ」です。このアプリを通じて、730か所以上の農場で収集したデータを効率的に管理しています。この仕組みにより、作付け計画から収穫、冷凍加工、袋詰めまでの各工程がリアルタイムで共有され、利用者はトレーサビリティを確保することができました。生産履歴を簡単に追跡できることで、消費者は信頼性の高い情報を得ることができます。
地域貢献と優れた労働環境
監査では、イシハラフーズの社会貢献活動も高く評価されました。同社は、定期的にフードバンクに冷凍野菜を寄付しており、ひとり親家庭や低所得世帯の支援を行っています。また、外国人技能実習生を含む従業員とのコミュニケーションも円滑で、働きやすい職場環境の提供にも努めています。
今後の展望
最終的な意見交換では、パルシステムの第1産直部長である佐藤哲郎氏が、イシハラフーズの自社農場のコントロールが安定した生産に寄与していることを称賛しました。今後の課題として、地域の担い手確保や農地の集約などに取り組む必要があると指摘しました。
一方、イシハラフーズの代表取締役社長である小倉祥子氏も、築き上げたノウハウを若手スタッフに引き継ぐことが大きな使命であると語りました。全スタッフが一丸となって、今後さらなる発展に向けて努力していく考えを示しています。
持続可能な社会の構築
パルシステムは、これからも生産者と消費者の相互理解を深め、持続可能な食料生産を支える活動を続けていく方針です。地域の農業を支援し、安心・安全な食品を提供することで、食の未来を切り開いていくことを目指しています。
以上のように、イシハラフーズの公開確認会は、生産者と消費者が直接つながる貴重な機会であり、食品の安全性を確保するための重要な取り組みといえるでしょう。