猫の健康を守るために──動物病院受診の抱える悩みと新たな取り組み

猫を飼っている皆さん、愛猫の健康管理はどのようにされていますか？全国の猫の飼い主を対象に行われた調査によると、多くの飼い主が動物病院を訪れることに関しての悩みを抱えていることが明らかになりました。今回は、その結果とともに、さらなる取り組みについて紹介します。

調査結果から見える現状

調査を実施したのは、ベーリンガーインゲルハイムアニマルヘルスジャパン。600名の猫の飼い主を対象に定期的な動物病院の受診について尋ねたところ、約8割が「定期的な受診が必要」と回答。しかし、その一方で、7割以上が「病院に連れて行くことに心苦しさを感じる」とも答えました。この心理的な葛藤は、「猫の受診ジレンマ」と名付けられています。

このジレンマは、猫が動物病院に行くことを嫌がる傾向が影響していると考えられます。多くの飼い主が自分の愛猫が病院でストレスを感じるのではないかと心配しながらも、健康維持のためには受診が不可欠であるとのジレンマにさいなまれているのです。調査によると、過去1年間に受診した飼い主の63.5%もこの受診ジレンマを感じているとの結果が出ています。

結果の詳細と飼い主の悩み

また、定期的に動物病院に連れて行かない理由として、59.6%が「猫のストレス」を選んでおり、そのストレスを避けたいとする飼い主の気持ちが強いことが分かります。このことから、猫を病院に連れていくことに対して感じている不安や心理的負担は大きな課題として浮かび上がりました。調査に参加した飼い主の約77.2%が、病院に連れて行く際にお悩みや困りごとを抱えていることも示されています。

最も多かった悩みは「移動中のストレス」であり、他には「待合室での待機中の飼い猫の様子」や「診察時の不安」なども挙げられています。このように、猫を動物病院に連れていく過程における様々な心配が飼い主の負担となっているのです。

新たな取り組みへの期待

この状況を踏まえ、ベーリンガーインゲルハイムは「ネコちゃんと飼い主さまのための究極の受診フロー開発プロジェクト」を発足しました。このプロジェクトでは、獣医師や保護猫団体の専門家と連携し、飼い主がストレスなく動物病院を訪れるための施策を提案していきます。

この取り組みの目的は、猫とその飼い主が共に健康でいるための環境を整えることです。具体的には、受診フローの改善に取り組み、猫がよりリラックスできるような方法を提供し、飼い主の負担を軽減します。大作戦の名称には「ニャンとかなる！病院いくぞ大作戦！」とあり、楽しく実践できる内容が期待されています。

飼い主と猫の未来のために

現在の調査結果やその解決策をベースに、飼い主が安心して猫を病院に連れて行ける社会を目指すことが重要です。愛猫の健康を気遣う飼い主の気持ちに寄り添いながら、より良い医療の在り方を模索していく必要があります。飼い主と猫が共に幸せで健康に過ごせる未来を築いていくためにも、こうした取り組みが求められています。

これからも、愛猫の健康維持に向けた情報やサポートを提供していくことが重要です。ベーリンガーインゲルハイムが展開するこのプロジェクトに注目し、猫の健康を守るための知識を深めていくことが必要です。