鳥羽商船高専と旭タンカー、包括連携協定を締結
三重県鳥羽市にある鳥羽商船高等専門学校(以下、鳥羽商船高専)は、2023年7月25日、東京に本社を置く旭タンカー株式会社との包括連携協定を締結しました。この協定は、海洋産業を支える人材の育成を目指しており、技術力と知識を兼ね備えた海技士の育成を目的にしています。
教育の新たな展開
校長の古山雄一氏は、鳥羽商船高専が提供する海技教育において、操船シミュレーターが活用されることを強調しました。シミュレーターは、実際の航路や海況を再現し、学生が実践的な操船技術を習得するのに効果的です。協定により、旭タンカーの豊富な現場経験が鳥羽商船高専の最新技術と結びつき、より多様性に富んだ海技教育プログラムが整備されることが期待されています。
古山校長は、「『進取・礼譲・質実剛健』という理念のもと、人間的にも優れた技術者を育成することに力を注いでいます」と述べ、官民連携による地域貢献への意欲も示しました。
産学連携の強化
協定には、海事産業の発展に寄与する学術活動や技術交流の推進も盛り込まれており、これは産学連携の一層の強化につながります。春山茂一代表取締役社長は、旭タンカーが蓄積したノウハウを教育プログラムに組み込むことで、学生だけでなく、自社の社員に対しても技能の向上を図ると話しました。彼の言葉からは、双方が地域や業界に貢献する強い意志が感じられました。
関係者の話
締結式には、古山校長と共に、江崎修央副校長、出江幸重研究主事、商船学科の鎌田功一科長も出席しました。旭タンカーからは、春山社長、岸和宏取締役、小林英樹執行役員が参加しました。式の後には、商船学科長の鎌田氏が操船シミュレーター室を案内し、同社の役員に学生の操船練習を披露しました。
鳥羽商船高専の歴史と役割
鳥羽商船高専は、明治8年に航海測量習練所として創設された、商船系の中でも最も歴史の古い高等専門学校です。航海士を育成する商船学科と、エンジニアを養成する情報機械システム工学科があり、今年も多くの技術者を輩出しています。
詳細情報
- - 設立: 1881年
- - 所在地: 三重県鳥羽市池上町1番1号
- - 公式ウェブサイト: 鳥羽商船高等専門学校
今後、鳥羽商船高専はこの協定を通じて、より多くの魅力的な教育機会を学生に提供し、海事産業の発展に寄与し続けることを目指していきます。