愛知県で進化するインフラ管理の未来
近年、災害や老朽化が深刻化する中、自治体や企業においてインフラ管理の重要性が再認識されています。特に、埼玉県八潮市での道路陥没事故は、10メートルも地下に埋まっていた老朽化した下水道管が原因とされ、この事例は日本各地のインフラ維持管理の現状を浮き彫りにしました。この状況に対して、本格的なデジタル技術の導入が急務となっています。
その流れの中、愛知県名古屋市に本社を置く株式会社mBiRS(エムバース)が、「GeoMappAR(ジオマッパー)」という新しいインフラ管理プラットフォームの実証実験を開始しました。このプロジェクトは、愛知県内の自治体と連携し、実際の現場での利便性を検証するものです。
ジオマッパーとは?
ジオマッパーは、最新のICT(情報通信技術)を活用したアプリケーションで、インフラ管理者が持つ施設データをスマートフォンで手軽に確認できます。これにより、複数の施設データを現場で直感的に利用でき、作業の負担軽減と業務の効率化を実現します。
愛知県豊川市で始まったこの実証実験では、下水整備課の施設台帳データをインポートし、従来の紙図面と比較して施設確認のしやすさや実用性を評価します。また、職員がアプリを継続的に利用することで、使用感や改善点を洗い出し、さらにインフラ維持管理のデジタル化(DX)の効果を検証する予定です。
STATION Aiの役割
この取り組みは、愛知県が推進するスタートアップ支援プロジェクト「STATION Ai」の一環です。STATION Aiは、愛知県名古屋市に設立された国内最大級のオープンイノベーション拠点で、500社以上のスタートアップや支援機関が参加しています。
この場を通じて、mBiRSは新たなビジネスモデルを模索し、インフラ管理のデジタル化を進めると同時に、地域経済の活性化にも寄与することを目指しています。
Aichi Startup Battle 2024への参加の意義
さらに、mBiRSは2025年2月18日(火)にSTATION Aiで開催されるビジネスプランコンテスト「Aichi Startup Battle 2024」にも参加予定です。ここでは、600万円の賞金を賭けたピッチコンテストに挑戦し、自社のビジョンを広くアピールする機会としています。
最後に
今回の実証実験を通じて、愛知県のインフラ管理はDG(デジタルトランスフォーメーション)の一環として新たなステージへ進むことが期待されています。mBiRSによるジオマッパーの導入が、業界にどのような変革をもたらすのか、今後の展開に大いに注目が集まります。