京都の漆が息づく新たな拠点『ここきよ』
2025年1月18日、漆製造・販売を手がける佐藤喜代松商店が新たな拠点『ここきよ』を京都市北区にオープンします。この施設は、漆に親しむ空間を提供することを目的としており、誰もが気軽に漆を体験できる魅力的な場所を目指します。
『ここきよ』の背景と目的
『ここきよ』は、漆に対する新たな価値を創出するためのプロジェクトです。佐藤喜代松商店が中心となり、日用品メーカーの合同会社COCOOも参画しています。この新しい拠点は、漆の「伝統と革新」を牽引し、現代の生活に適した漆の新たな可能性を探索する場となることが期待されています。約9000年前から日本人に愛用されてきた漆は、様々な背景を持つ人々に受け入れられる素材として進化しています。
『ここきよ』は、人々が漆と触れ合い、漆の未来を語り合える場であり、京都市民や観光客を問わず、多くの人々が集まることを願って設計されています。「ここにおいでよ」というメッセージが込められ、漆を通じた新しい出会いや創造が生まれる空間になります。
『ここきよ』の特徴
1. 新しい漆をテーマにした企画開発室
『ここきよ』は、漆に興味を持つ人々が集うオープン・ハウスのような場所です。さまざまなバックグラウンドを持つ方々が集まり、漆を通じて新たな未来を共に作り上げていく「ご近所産業」を推進することを目的としています。
2. 体験・体感できるワークショップ
ここでは、伝統的な金継ぎ体験に加えて、他では味わえない本漆を用いた製品の製作体験ができます。完成した作品はその場で持ち帰ることができるため、参加者は自らの手で創り出したものをすぐに持って帰り、自慢することができます。
3. 革新的な漆製品の製造工場
COCOOの代表商品である漆タンブラー「KISSUL」や紙漆カップ「KOMLA」の生産が行われる工場を見ることができ、職人の仕事や製造過程を間近で体験できます。これにより、漆の製造がもたらす魅力を身近に感じられる機会が提供されます。
直井彩茄氏によるデザイン
『ここきよ』の設計を手掛けたのは、デザインスタジオAYANA NAOIの直井彩茄氏です。彼女はクライアントに寄り添ったデザインを追求し、空間を通じて漆の魅力を感じられるよう工夫されています。シンプルかつミニマルなデザインによって、漆のストーリーを語る仕掛けが盛り込まれ、自然と会話が生まれるよう設計されています。
施設概要
- - 施設名称:ここきよ
- - 所在地:京都府京都市北区平野宮西町105(佐藤喜代松商店 建屋西側)
- - オープン日:2025年1月18日(土)
※一部製造工場は2024年11月より稼働開始
公式サイトは後日公開予定で、今後の情報も随時アップデートされるとのことです。
京都の文化や伝統を未来に引き継ぎつつ、新しい形で広める『ここきよ』に期待が寄せられています。多くの人々が漆との出会いを楽しみ、更なる可能性を見出していく場所になることでしょう。