インバウンドマーケティング成功の秘訣とCRMツールの実態
近年、企業がインバウンドマーケティングに力を入れるケースが増えています。特に、自社のWEBサイトやSNSを通じて顧客との接点を増やし、収益向上を目指す企業が多く見られます。そこで、株式会社PRIZMAが行った「商談数が伸びている企業におけるインバウンドマーケティングの実態調査」について詳しく見ていきましょう。
調査概要
この調査は、商談数を四半期以上伸ばしている企業で、3年以上にわたりインバウンド施策に取り組むマーケター510名を対象に実施されました。その結果、インバウンドマーケティングの施策や使用しているCRMツールの満足度が明らかになりました。
インバウンド施策の実態
調査の結果、過去に試したインバウンド経路として最も多かったのは『自社サイトのブログ運営(45.7%)』、続いて『SNSマーケティング(43.7%)』『SEO最適化(43.1%)』でした。これに対して、現在実施している施策では『SNSマーケティング(47.3%)』が最多で、次いで『自社サイトのブログ運営(39.0%)』『SEO最適化(34.5%)』となりました。
興味深い点は、過去にはSNSマーケティングが43.7%であったのに対し、現在は47.3%に増加していることです。このことからも、SNSの重要性が年々増していることが伺えます。一方で、SEO最適化の実施率は8.6%減少、自社サイトのブログ運営も6.7%減少していることから、マーケティング手法のシフトが起きていることも示されています。
成功した施策と要因
調査結果によると、上手くいっている施策では、上位が『SEO最適化(93.2%)』『自社サイトのブログ運営(86.4%)』『SNSマーケティング(86.3%)』であることが分かりました。成功の背景には、専門的なチームの設置や、顧客ニーズに即したコンテンツ制作が挙げられます。特に、SEO最適化ではテクニカルSEOの見直しや、専門人材の導入が功を奏したようです。
課題が残る施策
一方、上手くいっていない施策としては、『YouTubeなどの動画提供(25.0%)』『メールマーケティング(23.5%)』『ホワイトペーパー(22.6%)』がランクインしました。特に、メールマーケティングは受信環境が飽和してしまったことが影響していると言われています。
CRMツールの実態
次に、近年多くの企業が導入しているCRMツールについての調査結果も興味深いものでした。導入しているツールの中で最も多かったのが『eセールスマネージャーRemix CLOUD(15.5%)』で、続いて『Sales Cloud(12.4%)』『Microsoft Dynamics 365(12.2%)』でした。特に、満足度が高いツールとして『HubSpot(97.5%)』『Sales Cloud(95.2%)』『Mazrica Sales(91.5%)』が挙げられ、リード管理のしやすさや顧客情報の一元化が特徴として挙げられました。
まとめ
今回の調査を通じて、企業が今後もインバウンド施策を進化させていくためには、専門性を高めること、顧客ニーズを捉えた独自性のあるコンテンツ作成が必要であることが明らかになりました。また、CRMツールの導入においても、満足度の高いものを選ぶことが重要でしょう。この調査の結果を基に、自社の戦略を見直してみる一助にしていただければと思います。