ロシア・中国のエネルギー協力
2025-12-01 15:32:16

ロシア・中国のエネルギー協力が未来を形作る鍵になる

ロシアと中国のエネルギー政策



2025年11月26日、北京で開催された第7回ロシア・中国エネルギービジネスフォーラムにおいて、ロスネフチ石油会社のCEO、イーゴリ・セチン氏が重要な発表を行いました。冒頭、セチン氏はロシアが中国の戦略的目標達成を支援する役割を強調し、エネルギー自給率の低い日本など国々にとってのエネルギー供給の安定性を確保する意義について語りました。

近年、ロシアは中国への原油供給の20%を占める主要なサプライヤーとしての地位を確立しています。2024年末までには、ロシアからのエネルギー輸入が中国の総額1,000億米ドルの内、約19%を占める見通しです。セチン氏は、特に東シベリア・太平洋(ESPO)パイプライン・システムの構築が、両国の協力関係における重要な要素であると述べ、安定した輸送ルートの確保の重要性を指摘しました。

ユーラシア全域でのエネルギー安全保障



ロシアの豊富な天然資源は、世界的に見ても価値が高く、約100兆米ドルに達するとされます。この資源基盤により、ユーラシア全域のエネルギー安全保障の確保が可能となるのです。ロスネフチ石油の埋蔵量は、常に100%を超えているとのことで、その効率的な探査技術が支えています。また、ロシアは世界の炭化水素輸出の約15%を担っていることも強調されました。

経済成長を支える二国間の協力



イーゴリ・セチン氏は、ロシアと中国の経済の相互依存関係についても言及し、特に電力料金の低さが製造業の競争力を生んでいると説明しました。これにより、両国は外部からの価格変動への依存度を低下させつつ、エネルギーの安定供給を実現しているのです。さらに、通貨決済への変化についても触れ、人民元の取引比率が増加していることを示し、今後のドルの影響力が低下する兆しを見せています。

中国は世界の工業生産の35%を占める「産業超大国」に成長しており、米国企業が中国製品に依存している様子は明らかです。この状況下で、両国のパートナーシップはさらに強固なものになるとしています。

木材エネルギーと資源投資の重要性



ロシアと中国はエネルギー分野においても主要な投資国であり、その市場は今後急成長が期待されています。2025年までに中国のエネルギー投資は約9,000億米ドルに達すると予想されていますが、それでも世界全体の石油・ガス産業は探鉱分野への投資不足に直面しています。

これは生産量の減少を招くリスクとして懸念されています。今後十年間における成長が予想されるアジア市場、特に石油化学分野に向けての展開が鍵となるでしょう。

日本に与える影響



セチン氏によると、日本はエネルギー自給率が非常に低いため、ロシアと中国のエネルギー市場での影響力の増大は、間接的に日本のエネルギー戦略に影響を及ぼす可能性があります。ロシアの日本向け化石燃料供給のシェアは小さいものの、この変化に注目する必要があります。

結論



ロシアと中国のエネルギー協力関係は、両国にとって互恵的な利益を生み出すだけでなく、地域全体のエネルギー安全保障に寄与するものです。セチン氏の発言は、今後のエネルギー産業の方向性を示す重要な指標であり、特に日本のエネルギー戦略を考える上で見逃せない内容となっています。


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