秋田県の高齢者を支える薪ストーブ用薪の無償配送活動始まる
寒さが厳しい冬が到来する中、秋田県由利本荘市にある株式会社宇七工務店が、高齢者向けに薪ストーブ用の薪材を無償で配送する新たな取り組みを開始しました。この活動は、特に過疎地域に住む高齢者にとって、冬の暖房を確保する重要な支援となりそうです。
薪ストーブを使用する高齢世帯
由利本荘市では、今なお多くの高齢者が伝統的な薪ストーブを利用しています。家庭での薪の消費量は、ひと冬で平均して5トンにも達し、これは軽トラック約14台分に相当します。この膨大な薪をすべて購入するには37万円ほどかかり、物価の高騰が続く中で家計に重くのしかかっています。
特に、高齢者にとって薪の運搬は肉体的な負担が大きく、この冬場の寒さを伴う重労働から逃れることは容易ではありません。暖房を諦めることは健康に深刻な影響を及ぼすため、この現状を打破する手助けが求められています。
廃棄木材の活用
宇七工務店は、建築現場から出る廃材を薪として再利用することにも力を入れています。木造建築から発生する廃木材は、通常、2階建て30坪の住宅で4トントラック4台分にも及びます。このうち、密度の低い杉材や小さな木っ端も乾燥させることで、薪として有効活用することが可能です。
無償配送の対象となる高齢者には、地域のデイサービス業者と連携し、困難な状況にある方々を特定して希望者を募ります。この取り組みは、地域の持続可能な資源活用にも寄与することが期待されています。
お客様の声が生んだ活動
このプロジェクトの発端は、工務店の顧客からの要望でした。工事の際に廃木材を見つけた顧客が、その木材を薪ストーブを使用する実家に持っていきたいという意向を示し、そこから高齢者の困難な現状に気付くきっかけが生まれました。多くの高齢者が薪の獲得や薪割り、運搬で苦労している実態に触れ、彼らを支援したいという想いが高まりました。
代表の思い
宇七工務店の代表、佐藤巧氏は「過疎や高齢化が進む地域では、今もなお薪ストーブ生活を続ける高齢者が多くいます。この活動が彼らの生活に手助けとなれば嬉しい」との思いを語ります。
無償配送の概要
- - 配送方法: 軽トラックによる配送
- - 配送時期: 不定期(荷台が70%以上確保され次第)
- - 配送地域: 秋田県本荘由利地域
- - サイズ: 約30cmの長さの薪
宇七工務店のプロフィール
株式会社宇七工務店は、地域に根ざした工務店として最近ではリノベーションやリフォーム工事にも取り組んでいます。廃材の有効活用を重視し、持続可能なライフスタイルの拡大を図っています。詳細は
公式サイトをご覧ください。