沖縄初のエコツーリズム連携協定で自然と観光の共存を目指す
2025年7月4日、特定非営利活動法人リーブノートレイスジャパン(LNTJ)と沖縄県・東村は、環境に配慮したアウトドア活動の促進と地域の自然観光の発展を目的とした連携協定を締結しました。この協定は、持続可能な観光が求められる現代において、地域の自然環境と訪れる観光客の思い出を両立させるための大きな一歩となります。
東村の自然環境と観光ポテンシャル
東村は、やんばると呼ばれる豊かな自然が広がる地域に位置しています。このエリアには、国立公園に指定された「やんばるの森」があり、ここにはユニークな生態系と希少な動植物が生息しています。特に、ヤンバルクイナなど、固有種が多く存在し、『東洋のガラパゴス』とも称されています。2021年に世界自然遺産に登録されることで、その魅力が一層高まりました。
連携協定の内容
今回の協定の中では、東村公認のガイドがLNTのコースを受講することが必須条件となりました。これにより、ガイドたちは、観光客に対して環境への配慮を促す重要な役割を担うことになります。具体的には以下のような取り組みが計画されています。
- - 食糧周りの環境保全を理解するための啓発活動
- - 来訪者にLNT(環境への影響を最小限に)の理念を広めるための情報発信
- - 地域でのLNT関連の掲示物設置や情報誌・ウェブサイトでの掲載
これらの活動を通じて、観光客が「ここにしかない自然環境を楽しく体験しつつ、その影響を最小限に留める」という意識を持ってもらうことが目指されています。
東村長の期待
東村長の當山全伸氏は、この協定に寄せる期待を次のように語りました。「本村は早くからエコツーリズムを推進してきた地域です。この協定を契機に、本村を訪れる観光客の環境に対する意識を高め、地域の自然観光資源の持続可能な利用と保全を図りたいと思っています。」
LNT(Leave No Trace)とは
LNTは、米国発祥のアウトドアでの行動基準で、96ヵ国に広がっています。環境へのインパクトを最小限にしつつ、アウトドアを楽しむための7つの原則が定められています。LNTJは近年、本格的な活動を始め、急速に認知を高めています。特に、自治体との連携を深めながら、地域の環境課題を解決するためのプロジェクトも進めています。
結論
この新たな取り組みは、東村の観光業を支えるだけでなく、地域の自然環境を守りながら、訪れる全ての人々がその美しさを享受できるようにするものです。今後も地域と訪問者の共存を目指し、持続可能な観光のモデルケースとして全国に発信していくことでしょう。