感電事故防止の重要性
2024-06-27 13:26:54

電気主任技術者への事前相談は必須!感電死亡事故の現状と対策

電気主任技術者への事前相談は命を守る第一歩!感電死亡事故の現状と対策



近年、電気設備に関わる感電死亡事故が相次いで発生しており、作業員の安全確保が大きな課題となっています。独立行政法人製品評価技術基盤機構(NITE)が2020年度から2022年度までの3年間における電気工作物に係る感電死傷事故の詳細分析を行った結果、深刻な状況が明らかになりました。

# 事故の実態:事前相談の不足が招く悲劇



分析によると、3年間で12件の感電死亡事故が発生しており、そのうち9件は、作業者が電気主任技術者等の責任者に事前に連絡することなく作業を行った際に発生していました。この事実から、事前相談の重要性が改めて浮き彫りとなりました。

# 事故の原因:作業準備不足と方法の誤りが招く危険



感電死傷事故の原因として、最も多かったのは「作業準備不良」と「作業方法不良」でした。これは、作業者が電気主任技術者からの指示や助言を受けずに、十分な準備や安全対策をせずに作業を行った結果と考えられます。

# 具体的な事例:現場での危険な状況



NITEは、過去の感電死亡事故の事例をいくつか公開しています。

キュービクル内の確認作業中、扉を開けた際にケーブルに接触し感電:作業手順の確認不足や検電の怠りが原因と推測されます。
照明器具増設工事中、絶縁手袋を着用せずケーブルの被覆を剥がし感電:安全対策の不足と電気主任技術者への連絡不足が招いた事故です。
看板撤去工事中、高圧接続部に触れて感電し墜落:事前連絡の不足により、高圧部の停電や防護措置が講じられていませんでした。
銘板調査中、施錠されていない扉から盤に入り込み高圧充電部に接触:手順を遵守せず、予定外の作業を行ったことが事故の原因と考えられます。

これらの事例からわかるように、感電事故は、ちょっとした不注意や手順のミスが致命的な結果につながる可能性があります。

# 事故を防ぐための対策:管理者と作業者の連携が重要



感電死傷事故を未然に防ぐためには、管理者(電気主任技術者)と作業者の双方による徹底的な安全対策が不可欠です。

## 管理者(電気主任技術者)側の対策



作業内容に関するルールの徹底: 作業前に必ず作業内容を伝え、安全に関するルールを確認させましょう。ルールが整備されていない場合は、速やかに作成し、遵守徹底を図る必要があります。
予定外作業の禁止: 予定外の作業は、事前に計画を立て、安全性を確認することが重要です。単独での作業は避け、複数名で相互確認を行いましょう。
設備面の安全対策: 充電部に保護カバーを取り付けるなど、物理的な防護措置を講じましょう。キュービクルや盤の扉は施錠し、危険表示を掲示するなど、取扱者以外が容易に触れられないよう適切な管理を行いましょう。
スマート保安技術の導入: 監視カメラやセンサーなどを活用した遠隔常時監視システムの導入を検討することで、現場の巡視点検や年次点検における充電部への接触を減らし、感電リスクを低減できます。

## 作業者側の対策



作業前の事前相談: 作業を行う前に必ず電気主任技術者に作業内容を相談し、安全に関する指示や助言を受けましょう。
検電の徹底: 作業前に必ず検電を実施し、無電圧であることを確認しましょう。常に検電器を携帯し、適切な検電方法を習得しましょう。
絶縁用保護具の着用: 作業内容に応じた絶縁用保護具を正しく着用し、肌の露出を最小限に抑えましょう。作業前に必ず保護具の点検を行い、破損や劣化がないかを確認しましょう。
体調管理: 体調が悪い場合は無理せず作業を中止しましょう。十分な休息を取り、体調管理に気を配りましょう。

まとめ:安全意識の向上と継続的な取り組みが不可欠



電気主任技術者と作業者の連携、安全意識の向上、そして継続的な安全対策の取り組みが、感電死傷事故を防止するために重要です。本記事を参考に、安全な作業環境づくりに努めていきましょう。

トピックス(その他)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。