ブルーイノベーションの新たな試み
ブルーイノベーション株式会社が手掛ける「BEPポート|防災システム」の本格提供が、2025年5月20日に開始されました。このシステムは、特に自治体に向けて開発され、災害時の避難広報と状況把握を自動化することを目的としています。最近、千葉県一宮町でこのシステムを活用した津波避難広報システムが完成したことを記念する式典も行われ、実際に社会に実装されたのはこれが2例目となります。
次世代防災ソリューション
自然災害が頻発する現代において、自治体は避難広報や被災状況の把握を迅速に行うことが求められています。しかし、実際の現場では人手不足や安全確保の課題が多く、初動対応が難しいことも多々あります。そこで、ブルーイノベーションがこの問題に着目し、「BEPポート」と呼ばれる防災システムを開発したのです。
このシステムは、特にJアラートとの連携が大きな特徴です。災害が発生するとJアラートが作動し、自動的にドローンが発進。スピーカーを使って避難呼びかけを行ったり、リアルタイムで現場の状況を把握したりします。これにより、迅速かつ的確な初動対応が実現されるのです。
3つの特長
1.
自動避難広報: Jアラートと連動し、ドローンが自動で発進して避難指示を行います。人手を介さずに早急な避難を促すことが可能です。
2.
リアルタイム把握: ドローンが自動飛行しながら、被災地の映像を取得し、状況をクラウドに保存します。これにより、広範囲をカバーして安全に状況確認が行えます。
3.
職員の負担軽減: ドローンによる遠隔確認が可能なため、職員の現地出動が最小限に抑えられ、より安全に初動対応が実現できます。
千葉県一宮町への導入
千葉県一宮町はサーフィンのメッカとして、多くの観光客やサーフィン愛好者が集まる地域です。一方で、津波などの災害が発生した際には迅速な避難指示が必要であるとの課題を抱えていました。このため、一宮町は宮城県仙台市での導入実績に基づき、「BEPポート」の導入を決定しました。
具体的には、津波注意報が発令された際、一宮町役場や東浪見小学校に設置されたドローンポートから、ドローンが自動発進。上空から迅速に避難呼びかけを行い、同時に現場の映像も収集されます。この取り組みにより、地域住民や観光客を問わず、しっかりとした避難支援が可能となり、災害時の対応力が向上しています。
全国展開への道
今後、「BEPポート|防災システム」は全国の自治体へ展開される予定です。このシステムは津波だけでなく、地震や洪水など多様な自然災害に対応可能な設計となっており、特に人手不足の自治体にとっては貴重な防災インフラとなるでしょう。ブルーイノベーションは、無人で機能する防災システムの実現を目指し、さらなる社会実装を進めていく方針です。
会社概要
ブルーイノベーション株式会社は1999年に設立され、ドローンやロボット技術を活用した多様なソリューションを提供しています。特に技術的なノウハウを活かして、遠隔でドローンを制御するためのプラットフォームを構築し、社会に実装することに努めています。