書籍紹介:『問いの編集力 思考の「はじまり」を探究する』
安藤昭子さんが手がけた『問いの編集力 思考の「はじまり」を探究する』が、2024年9月20日にディスカヴァー・トゥエンティワンから発売されます。この本は、AIが回答を提供する時代において、人間の思考の根幹を成す「問い」の重要性を再確認し、その能力を高めるための新しいアプローチを提案します。
本書の背景
著者の安藤氏は、「問うことは人間に残された知性の砦」とし、特に先行が不透明な現代社会において、自らの進むべき道を切り開く力として「問う力」の重要性を訴えています。これまで教育やビジネスの現場では「答える力」は鍛えられてきたものの、「問う力」は手つかずの状態が続いているそうです。
実際、問いのメカニズムを解明することは非常に難しいとされていますが、本書ではその「問いの発生プロセス」を4つのフェーズに分けて考察しています。具体的には、「問いの土壌をほぐす」「問いのタネを集める」「問いを発芽させる」「問いが結像する」という流れが示されています。
書籍の内容
1. 「問い」の土壌をほぐす:Loosening
この章では、内面の準備や境界の整理が語られています。自己理解を深め、柔軟な思考の土壌を整えることが、問いを立てる基盤となります。
2. 「問い」のタネを集める:Remixing
世界をさまざまに見ることで新たな視点が得られ、情報を多面的に理解する力を養います。偶然の発見を繋げていくことが、問いの種となるのです。
3. 「問い」を発芽させる:Emerging
未知との出会いや他者との関係を通じて問いが生まれる過程が解説されています。触発装置としての書物の役割も重要です。
4. 「問い」が結像する:Discovering
問いが具体的形を成す過程を追い、その結果、より深い理解と新たな視点が得られます。
推薦の声
落合陽一氏や佐渡島庸平氏からも支持されている本書は、問いのプロセスとその重要性を実感させてくれます。落合氏は「編集の洞穴の入り口」で、佐渡島氏は「未知との遭遇の驚きを」を感じ取っていると述べています。
安藤昭子のプロフィール
安藤昭子氏は、大手出版社での書籍編集や事業開発を経て、編集工学の可能性に目覚めました。現在は、編集工学研究所の代表を務めながら、多様な領域での思考力育成に貢献しています。他にも、企業や教育機関に向けたリベラルアーツ塾やオンライン学校での編集術教育にも取り組んでいます。
最後に
『問いの編集力』は、AIが発した回答に頼るのではなく、自ら思考を深め、「問う力」を高めるための一冊です。この機会に新たな思考法を学び、自らの進化を促してはいかがでしょうか。