築古マンションのセキュリティ問題を解決する新システム
大阪市西区に本社を置く株式会社くじらリアルエステートテックが、新たに開発に着手した「ハイブリッド・オートロック」システムは、築古マンションのセキュリティ向上を目指す画期的なソリューションです。2026年中の市場提供を目指し、既存のエレベーターとスマートフォンのアプリを組み合わせたこのシステムは、住民が安心して暮らせる環境を提供します。
1. オートロックのない築古マンションの危機
近年、マンションのセキュリティに対する意識が高まる中、オートロック設備のない古いマンションでは、不審者の侵入や防犯上の不安が増しています。特に、既築マンションにおいては、オートロック後付け工事が数千万円に達することが多く、導入を躊躇うオーナーや管理組合も少なくありません。加えて、外階段や開放廊下からすぐに居住フロアへアクセス可能な構造の場合、単純なエントランスの改修では不十分です。
2. ハイブリッド・オートロックシステムのコンセプト
この新システムは、次の3つのコンセプトに基づいています。
- - 大規模改修工事を不要:従来のシステムとは異なり、各住戸への大掛かりな配線工事が不要です。居住者のスマートフォンやICカードを利用するため、比較的シンプルに導入できます。
- - 実質的なボトルネックの設置:エレベーター制御と1階の階段前にゲートを設置することで、侵入経路を制限します。
- - 中小規模マンションでも導入可能な価格帯:予算の制約がある築古マンションでも手軽に導入できることを目指しています。
3. システムの詳細
3.1. エレベーター制御
「ハイブリッド・オートロック」はエレベーター制御を中心に構築されており、居住者は専用アプリやICカードを通じてエレベーターを呼び出せます。来客がある際にも、スマートフォンを使ってエレベーターを自動的に1階へ降下させることが可能なので、スムーズにおもてなしができます。
3.2. 階段ゲートの採用
また、本システムは1階部分に物理的なゲート(メカニカル錠またはスマートロック)を設置し、外部からの侵入を防ぎます。居住者が簡単に開けられる設計で、安全性と利便性を両立しています。特に電源工事不要のメカニカル錠や既成のスマートロックの活用により、工事費用や時間を最小限に抑えることができます。
3.3. 導入の想定ケース
本システムは主にオートロック未設置の賃貸マンションに向けて考案されており、オーナーはこの新しいセキュリティシステムを通じて、物件の価値を向上させることが期待できます。在宅の安心感を高めるだけでなく、大規模改修を前提とせずにセキュリティを向上させる手段としても注目されています。
4. 今後の展開
現在、システムのプロトタイプ開発を進めており、大阪市内の協力物件において実証実験を実施予定です。2026年内の提供開始に向け、詳細が決まり次第改めて発表される予定です。これにより、築古マンションに新しい風を吹かせ、住民の安心した暮らしを支援することが目指されます。
公式サイト:
くじらハイブリッド・オートロック
このシステムは、これまで利用できなかったセキュリティ環境を、より多くの人々に提供することを意図しています。くじらリアルエステートテックは、安心で快適な住まいの実現に向けて、これからも革新的なサービスを提供し続けます。