世界最高精度での球直径測定、産総研とPPE共同開発の新技術

世界最高精度の球直径測定技術の進展

近年、光学関連技術の進化が進む中、国立研究開発法人産業技術総合研究所（産総研）とパナソニックプロダクションエンジニアリング（PPE）が共同で、世界最高精度の球直径測定技術を開発しました。この技術は、車載カメラや内視鏡など、高精細な画像を必要とする分野で非常に重要な役割を果たします。

技術開発の背景

光学素子の性能向上には、自由曲面化が不可欠です。特に自由曲面レンズやミラーでは、表面の凹凸をナノレベルにまで低減するだけでなく、その形状をも正確に再現する必要があります。しかし、これを実現するためには、ナノレベルの加工技術に加えて、同様の精度での形状計測技術が求められます。

高精度測定のための課題

従来の球の直径校正は、100nmから200nmの不確かさがあり、これが形状測定機の精度に影響を及ぼしていました。このため、より高い精度が求められていたのです。今回の研究チームは、この課題に対し、全く新しいアプローチを採用しました。

新しい測定法の概要

開発された測定技術は、低接触力プローブシステムを備えた三次元測定機（µ-CMM）を利用し、シリコン製ブロックゲージを基準にした球直径校正方法です。この新技術により、なんと15nmの不確かさで球の直径を測定することが可能となりました。この技術を自由曲面形状測定機に応用することで、自由曲面形状の高精度化が期待されています。