朗読劇の新たな挑戦!朱の会『夜叉ヶ池』上演
朗読の可能性を追求してきた〈朱の会〉が、なんと初めて本格的な芝居公演に挑むこととなりました。タイトルは、『泉鏡花「夜叉ヶ池」命の為に恋は棄てない』。この公演は2025年の5月28日から6月1日まで、東京都中野区の中野スタジオあくとれで行われます。
公演の背景と魅力
この新たな舞台が注目を集める理由は、言葉の魔術師である泉鏡花の作品を扱うことにあります。特に『夜叉ヶ池』という作品は、幻想的でありながらも深い人間ドラマが描かれ、観客を引き込む魅力を持っています。この作品を、過去に〈朱の会〉に関わった夢乃玉堂がリライトしたことで、現代の視点で新たに生まれ変わると言われています。
泉鏡花は1873年に石川県金沢で生まれ、その文学は幼少期の体験や母への思慕が反映されています。『夜行巡査』や『外科室』といった名作を産み出し、300以上の作品を残しました。
独自の舞台表現
これまで朗読中心の活動を行ってきた朱の会は、今回は舞台美術家の加藤ちか氏を迎えて、35年ぶりに共同作業を実現しました。彼女が手掛ける舞台美術はどのように空間を彩るのか、観客にとって大きな楽しみの一つとなるでしょう。さらに、衣装面でも加藤氏と阿部美千代氏が独創的かつ華やかな和風衣装を提供することが期待されています。
また、音楽は朱の会のVol.1からお馴染みの余田崇徳が担当し、照明は由利優樹が手がける予定です。各方面から集まった個性豊かな俳優陣が織り成す新たな言葉の世界に、観客はどのように魅了されるのか注目です。
物語のあらすじ
物語は、大正時代のある夏の日、越前の国にやってきた山沢学円という学者を中心に展開します。彼は行方不明の友人、萩原晃を探す旅を続けています。彼が出会う美しい女性、百合はなんとその友人の妻でした。再会を喜びつつも、未曾有の干ばつに苦しむ村人たちとの物語は、神秘的な要素と人間ドラマを織り交ぜていきます。
公演情報とチケット
この公演は、一般4,000円というお手頃な価格帯で提供され、特に5月30日のプレビュー公演は3,000円という特別料金での観劇が可能です。チケットはカンフェティを通じて発売中で、全席自由、税込みです。
朱の会の公式サイトでは、さらなる公演情報が掲載されており、今後の展開にも注目です。今回の舞台は、言葉の力を最大限に引き出した新たな試みであり、観客の記憶に残る作品になること間違いありません。