MR Anatomyで肺の構造を学ぶ
2024-07-03 14:09:55

複合現実で肺の構造を学べるトレーニングシステム「MR Anatomy」登場!医療現場の教育革新へ

複合現実で肺の構造を学べる!医療従事者向けトレーニングシステム「MR Anatomy」登場



近年、特に肺がん手術では、より小さな範囲で腫瘍を切除する「区域切除」と呼ばれる手術が増加しており、医療従事者には、これまで以上に精緻な肺の構造の理解が求められています。そこで、日本メドトロニック株式会社、キヤノン株式会社、キヤノンITソリューションズ株式会社、ザイオソフト株式会社の4社は連携し、CT画像を複合現実(MR)で観察できる医療従事者向けのトレーニングシステム「MR Anatomy」の提供を2024年7月上旬より開始しました。

「MR Anatomy」は、現実世界に高精細な実寸大の肺の3D画像を表示することで、臓器、血管、病変の位置関係など、解剖学的構造の理解を深めることができます。従来の2D画像では把握が難しかった、症例ごとに異なる病変の位置や血管の走行、臓器の大きさなどを立体的に理解することが可能になり、医学生や若手外科医をはじめとする医療従事者の教育・トレーニングの質向上に貢献すると期待されています。

「MR Anatomy」がもたらす革新



「MR Anatomy」は、ザイオソフトの3次元医用画像処理システムで出力された3Dデータ化した肺のCT画像を、キヤノンのMRシステムで現実空間に実寸大の3D画像で表示します。直感的な操作で、拡大・縮小、回転など、様々な角度から観察することができ、手軽に肺の立体構造を理解することができます。

医療現場における課題解決



外科医が安全で正確な手術を行うためには、臓器の構造を立体的に把握することが重要です。しかし、その習得は容易ではなく、長年の経験が必要とされてきました。特に近年増加している区域切除手術においては、より高度な理解が求められており、従来の平面のPCモニターでの学習では限界がありました。

「MR Anatomy」は、実寸大の3D画像を複合現実で表示することで、従来の学習方法では得られなかった立体的な理解を促進し、医療現場における教育・トレーニングの質向上に貢献します。

4社の連携による革新的なシステム



メドトロニックは、低侵襲な肺切除術に使用されるステープラーやシーリングデバイスなどの高度な技術を提供してきた実績があります。キヤノンとキヤノンITSは、MRに関する知見と技術を共有しており、ザイオソフトは2DのCT画像をリアルな3D画像に再構成する技術を提供しています。4社の強みを結集することで、「MR Anatomy」という革新的なトレーニングシステムが実現しました。

今後の展望



「MR Anatomy」は、2024年中に4施設の呼吸器外科への導入を予定しており、パイロット導入の成果を基に、発売から3年以内に30施設での導入を目指しています。さらに、将来的には肺以外の臓器への活用や、術前シミュレーションにおける使用ニーズに応えるべく、医療機器としての申請も検討されています。

「MR Anatomy」は、医療従事者の教育・トレーニングの質向上だけでなく、患者さんの安全な手術にも貢献する革新的なシステムとして、今後の発展が期待されます。


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