Z世代の推し活とその実態
近年、Z世代の間で「推し活」が新たな潮流として注目されています。推し活とは、特定のアイドルやアーティストを応援する活動を指しますが、最近の調査によると、その楽しみ方や消費行動に大きな変化が見られることがわかりました。株式会社テテマーチが行った、現役大学生・大学院生350人を対象にした調査によって、ライト層の増加やSNSの重要性など、推し活の新たな実態が浮き彫りになりました。
調査背景
推し活はもはや単なる趣味を超え、Z世代の価値観や消費行動に深く根付いた文化として広まっています。SNSの普及により、推しとの距離が縮まり、リアルとデジタル両方での応援が日常の一部となっています。
このような背景を踏まえ、サキダチラボではZ世代の金銭感覚や情報行動にどのような影響を与えているのかを探るために独自の調査を実施しました。調査結果は、推し活に対しての堅実な姿勢や無理のない楽しみ方を浮き彫りにしました。
調査結果のサマリー
1. ライト層は約半数
調査結果によると、推し活を楽しむ大学生の多くは「週5時間未満・月3,000円未満」という無理をしない範囲で活動を楽しんでいることがわかりました。推し活には積極的に時間を使う一方で、過度な支出を避ける意識が強いことが示されています。
2. 体験型の支出重視
参加したいイベントにお金を使う人が多く、「イベント参加」が最も多い結果となりました。モノ消費よりも、体験を重視する傾向が強まっています。
3. SNSによる情報収集が中心
全体の86%がSNSを活用して情報を収集しており、特に熱心な層ではX(旧Twitter)の活用率が高いことがわかりました。ライト層の間でもSNSが主な情報源として機能していることが確認されています。
4. 人気と話題性のズレ
「Mrs. GREEN APPLE」や「乃木坂46」が人気の推しとして挙がる一方で、SNS上での話題数は異なるJ-POPのアイドルが多く、消費行動の実態が複雑であることが窺えます。
5. 支出だけでなく収入にも影響
推し活に注力する層は節約やバイトの増加を行い、資金を調達しています。一方で、ライト層は無理のない範囲で楽しむスタイルを貫いているため、支出・収入それぞれに異なる動きが見られました。
6. 情報発信の活発さ
推し活を楽しむ中で情報発信がどのように行われているのかも重要です。ライト層は情報の受け手としてコンテンツを楽しむ傾向が強く、情報発信は控えめです。一方で、ヘビー層は活発に情報を発信しています。
まとめ
今回の調査では、Z世代の推し活がどのように進化しているのかが明らかになりました。無理のないスタイルや体験重視の消費行動、SNSを活用した情報収集と発信の実態が浮き彫りになり、企業側にも新たなマーケティング施策のヒントが示されています。推し活市場は非常に多様で、ファン層のライト層からヘビー層までがそれぞれに異なる楽しみ方をしていることが特徴です。企業は、この新たな消費行動を理解し、ライト層からヘビー層までの視点を取り入れた企画を行うことが求められています。