運動機能と世代差
2025-06-24 11:25:26

70代が最も運動機能に自信、40代の低下が懸念される調査結果

最近、健康の維持に関する意識調査が行われました。この調査は、健康総合企業である株式会社タニタが実施したもので、全国の40歳以上の男女を対象に行われました。調査は2025年4月3日から6日までの4日間、インターネットで実施され、1000人が参加しました。ここでは、運動機能と呼ばれる日常生活における身体能力に焦点を当て、その自信の有無と、現状に関する意識がどのように形成されているのかが探求されました。

調査結果の概要


調査結果では、自分の運動機能に自信を持っているのは主に70代の高齢者であり、その割合は55.0%にも上りました。一方で、最も若い40代では自信を持つのが38.0%と著しく低く、その差は17ポイントにもなります。高齢者が運動機能に対して自信を持つ背景には、過去の運動経験や自己認識が影響していると考えられます。

男性および女性の回答を比較しても、70代の自信の強さは顕著であり、運動機能を把握する上で重要なポイントとなります。しかし、驚くべきことに70代でも42.7%が「バランスを崩すことがある」との回答があり、自信と実際の身体機能に乖離が見られる現実も浮かび上がります。40代でも24.5%という数値が示す通り、年齢に関係なく運動不足による筋力低下は懸念される問題です。

フレイルの認知拡大


調査においては“フレイル”の認知度も上昇しており、56.5%という結果が示されています。フレイルとは、加齢によって身体的・精神的活力が低下し、社会的孤立といった問題も伴う状態を指します。2022年に行われた同様の調査から約15ポイントも増加しており、より多くの人々がこの概念を理解しつつあることが伺えます。

日常生活への影響


調査では、運動機能が衰えた場合の生活へのマイナスの影響についても質問されました。その中で最も多くの人が思いつくのは「階段の昇り降り」(57.8%)や「歩行」(51.5%)など日常的に行う行動であることが示されました。これにより、運動機能が低下することが日々の生活に直結しているという認識が広がっていることが分かります。さらに、「入浴」や「車の運転」にも影響が出ると考える人が多く、社会生活において運動機能の重要性が示されています。

職場での取り組みと今後の課題


興味深いことに、職場での転倒防止策の実施状況に関する調査も行われ、なんと半数以上の企業が対策を講じていないことが浮かび上がりました。特に工場など体を動かす職場での転倒事故は深刻な問題で、労働力不足が懸念される今、早急な対策が求められます。高齢化が進む中で、運動機能の維持は単なる個人の健康問題ではなく、社会全体の基盤として重要視されなければなりません。

結論


タニタの村山敏夫准教授は、運動機能の維持は私たちの生活の質に直結すると指摘しています。運動機能は、安心して生活するために必要不可欠な基盤であり、高齢者から若い世代まで、自分の状況を正しく理解し、日常生活において運動を取り入れる重要性がますます高まることが期待されます。運動は健康を保つだけではなく、社会的なつながりを持つためにも必要です。未来にわたる健康づくりを考えるなら、今から日々の運動を習慣化する意識が重要だと言えるでしょう。


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