アメリカ政治を読み解く新右翼思想の深層とは
井上弘貴氏の著書『アメリカの新右翼:トランプを生み出した思想家たち』が、最近「TOPPOINT大賞」を受賞した。この新刊書は、『TOPPOINT』という月刊誌が選定したもので、ビジネスリーダーを中心に1万名以上の購読者のアンケートによって決まる。この受賞には、アメリカの政治思想を扱った本が評価されたことが大きく、特にトランプ政権の影響に関心を持つビジネスパーソンたちにとって重要な内容が含まれている。
トランプ政権の影響を探る
トランプ政権は、2017年1月の発足以来、これまでの政治的常識を覆すような政策を次々と打ち出し、国内外で混乱を招いている。多くの人々には、トランプ政権の動きは支離滅裂に見えるかもしれない。しかし、本書を通じて「第三のニューライト」と呼ばれる思想家たちの来歴や思想を理解すれば、彼らがリベラルな価値観をどう批判し、社会をどのように変革しようとしているのかが明らかになる。
「第三のニューライト」とは、テック右派や宗教保守、ネオナチなど、多様なグループから構成された新右翼の動きであり、内部での対立や矛盾がトランプ政権の政策に影響を及ぼしているという。これからの世界情勢やトランプ政権の行く先を考えるために、本書は非常に参考になる一冊だ。
本書に登場する主要な思想家たち
本書には、アメリカの新右翼を形成する重要な思想家たちが紹介されている。以下は、一部の名前とその背後にある思想の概略である。
- - R・スペンサー:白人ナショナリストで「オルトライト」のカリスマ。
- - Y・ハゾニー:イスラエルのシオニストで、「ナトコン(国民保守主義)」を率いる。
- - P・デニーン:ポストリベラル右派の急先鋒として知られる。
- - R・ドレア:宗教に基づく思想家で、ハンガリーに「文化的な亡命」をした。
- - E・マスク:火星移住を目指し、意欲的な政策で名を馳せる。
このような思想家たちの活動が、トランプ政権の方向性や政策の根底に影響を与えていることが本書を読めばわかる。
著者のコメント
井上氏はTOPPOINT大賞を受賞したことについて触れ、アメリカの政治思想というテーマがビジネスパーソンに関心を持たれることは意外だと語った。ビジネス界では関税政策や規制の変化に敏感であり、その理解は今後の状況を予測し対応するために重要であると認識している。彼は今後もアメリカの変化を思想的な観点から伝える努力を続けていくことを約束している。
井上弘貴氏について
著者の井上弘貴氏は、1973年生まれで早稲田大学大学院政治学研究科の博士号を持つ。政治の理論や公共政策、アメリカの政治思想史が専門で、神戸大学で教授を務めている。過去には数多くの著書を持ち、政治分野における著名な存在である。
書籍データ
- - タイトル:アメリカの新右翼:トランプを生み出した思想家たち
- - 著者名:井上弘貴
- - 発売日:2025年6月26日
- - 定価:1,705円(税込)
- - ISBN:978-4-10-603932-4
- - 購入リンク:新潮社
この書籍は、トランプ政権の背景にある思想を理解する上で、非常に貴重な資源となるだろう。
今後のアメリカの政治動向に興味のある読者はぜひ手に取ってみてほしい。