食品価格の上昇が続く
2024年2月、家庭向けの飲食料品の値上げが続いており、1656品目が前年同月を上回るという厳しい実態が明らかになりました。この調査は株式会社帝国データバンクによるもので、2025年に向けた食品市場を見据えた分析が行われました。
増加する値上げ品目
2024年2月の値上げ品目は、前年同月比で1.8%増加しました。この中で最も多かったのが加工食品で、589品目に達しました。特に冷凍食品やチルド麺の値上げが目立ち、「調味料」や「菓子」もそれぞれ357品目、329品目の値上げが記録されています。さらに、酒類や飲料も266品目に上る値上げが発表されました。
大規模な値上げ予測
2025年の年間累計値上げ品目数は8867品目にのぼり、前年に比べて約9割増のペースで推移しています。この状況は、飲食料品の値上げが前年以上の勢いで続くことを示唆しています。今後も、春先にかけての大規模な値上げが懸念されています。コメやチョコレートの原料となるカカオ豆、さらにはコーヒー豆の高騰も影響しています。
何が値上げを引き起こしているのか
値上げの要因には、原材料高が最大の要因となっており、過去3年連続で値上げ品目全体の9割以上を占めています。さらに、物流費や人件費の上昇も響いています。特にトラックドライバーの時間外労働規制が影響し、物流費の値上げは79.4%に達しました。人件費も50.9%を占めており、初めて半数を超えました。
今後の見通し
4月には累計で1万品目を超えるという予想もあり、年間では1.5万から2万品目の値上げが見込まれています。円安が続く中で、輸入食材の値上げ圧力も高まり、世界的な天候不順も影響しているため、値上げの要因は多様化しています。消費者が値上げに拒否反応を示す中、小売業界では販売量が減少する可能性も指摘されています。特に、実質賃金の伸び悩みが影響し、夏までに大幅な値上げが相次ぐ可能性が高いと言えるでしょう。
結論
食品価格の上昇が続く中、2025年の動向はますます注目されます。原材料費やサービス関連のコストが上昇し続ける中で、私たち消費者が直面する現実は厳しさを増すばかりです。これからの市場動向を見守る必要があるでしょう。