大阪・関西万博における日蘭エネルギー・トランジション・カンファレンス
2025年9月22日、オランダ王国が主催する『日蘭エネルギー・トランジション・カンファレンス』が大阪で開催されました。この会議には、オランダから激励のために訪れたソフィー・ヘルマンス気候・グリーン成長大臣、さらにはロッテルダム市のカロラ・スハウテン市長をはじめとする多くの専門家が参加し、日本との約250名の参加者と共に、エネルギートランジションに対する異なるアプローチや成長戦略について活発な議論を展開しました。
ヘルマンス大臣は開会の挨拶で、両国がエネルギートランジションという共通の課題に取り組んでいることを強調し、理想的なパートナーシップを築けると述べました。「日本の先進的な技術や水素供給網の経験、オランダの洋上風力に関する知見を生かし、互いに学び合うことができる」と続け、日本とオランダの長い歴史的関係が、現代においても新たな形で発展していることに触れました。
新たな覚書と機会の創出
会議では、オランダと日本間で新たに締結されたいくつかの重要な覚書(MoU)が発表されました。まず、
Green Energy Park Global B.V.と
川崎重工業株式会社がブラジルから欧州への水素輸送に関する協業の可能性を検討するための覚書を締結しました。また、
Holland Home of Wind Energy(HHWE)と
浮体式洋上風力技術研究組合(FLOWRA)も覚書を交わし、技術的な限界を押し広げることを目指しています。
さらに、
NL Hydrogenと水素バリューチェーン推進協議会は、海上輸送や原産地証明に関する連携を探るための覚書を締結したことも特筆されます。
オランダの
経済省 企業誘致局と
CONNEXX SYSTEMSも確認書を交わし、先進的な電池技術をもって電動バスやEV用の蓄電システムを展開する旨が語られました。
日蘭の持続可能性に向けた取り組み
今回のプログラムは、日蘭両国の首相によって合意された「持続的な平和と繁栄のための戦略的パートナーシップによる共同声明」の実現に向けた重要な一歩です。また、これに基づく日オランダ・アクションプラン2025の中で、エネルギー移行および持続可能性が優先課題の一つとして掲げられており、こうした活動が推進されています。
オランダパビリオンのビジョン
さらに、2025年大阪・関西万博において、オランダのパビリオンは「コモングラウンド」をテーマに参加します。このパビリオンは、球体のデザインを中心に持続可能なクリーンエネルギーの象徴であり、360度の映像体験が楽しめる設計となっています。これにより、訪れる人々は新たな視点から地球規模の課題について考える機会を得ることになるでしょう。
日本とオランダが手を携えることで、エネルギーの未来がより明るいものとなることが期待されます。今後も両国の連携が強化され、更なる革新と持続可能な成長がもたらされることが望まれます。
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