ispace U.S.の衛星サービス
2024-04-25 16:10:01

ispace U.S.が月周回リレー衛星によるデータサービスを開始

ispace U.S.が2基のリレー衛星を使ってデータサービスに乗り出す



株式会社ispace(東京都中央区)は、アメリカ法人のispace technologies U.S., inc.が新たにデータサービスを始めることを発表しました。このサービスは2026年に予定されているミッション3において、SpaceX社のFalcon 9を使って打ち上げられる2基のリレー衛星を活用します。これにより、APEX1.0ランダー(月着陸船)と地球との通信が可能になるのです。詳細は、米国ジョンズホプキンス大学で開催されたLunar Surface Innovation Consortiumの春の会合で公表されました。

リレー衛星の役割



両衛星は、月の南極に位置するSchrödinger Basin(シュレーディンガー盆地)に着陸予定のAPEX1.0ランダーと地球との通信を仲介します。ispace U.S.は、NASAの商業月面輸送サービス(CLPS)の一環として、このプロジェクトを進めています。このミッション3の目的は、NASAが持つ複数の科学的ペイロードを月の裏側に輸送することです。

高度な通信の実現



リレー衛星は、ミッション3終了後も長期間にわたり月周回軌道にとどまる予定で、月面や周回軌道上で収集したデータを顧客に提供し続けます。これにより、月の南極域と地球の間での通信が7割以上可能になるため、貴重なデータサービスを多様な顧客に提供できるチャンスが広がります。

有望なビジョン



このリレー衛星は、将来的なミッションのためのデータ処理と統合に寄与することが期待されています。また、留まる位置は、高円極軌道(High Circular Polar Orbit, HCPO)と呼ばれるもので、月のほぼ全球をカバーする設計となっています。この衛星の設計・製造は、Blue Canyon Technologies社が担い、通信装置を搭載した小型衛星が、月面のランダーやペイロードからのデータを地球に送る役割を果たします。

商業化の動き



現在、ispace U.S.はミッション3においてAPEX1.0ランダーとリレー衛星への商業的なペイロード輸送サービスを提供するため、多様な民間企業や政府機関、研究機関と協議を行っています。その中で、測位・航法・タイミング情報の技術実証を含むペイロードの搭載も決定されています。顧客からの要望を受けて、リレー衛星の活用を希望する新たな協議も開始されました。

APEX1.0ランダーの進化



また、ispace U.S.が開発を進めるAPEX1.0ランダーは、今後の商業ミッションに向けて、大きな可能性を秘めています。このランダーは、2023年4月のミッション1のデータやノウハウを活かし、最大300kgのペイロードを月面に輸送できる設計が施されています。

未来へのフロンティア



ispace U.S.のCEOは元NASA宇宙飛行士のRonald J. Garan Jr.であり、彼を始めとするプロフェッショナルな経営陣が集結しています。彼らは、月面資源開発の可能性に注目する企業として、今後の展開に期待を寄せています。

このように、ispace U.S.はテクノロジーの進化をもとに、月と地球の架け橋として新しい未来を切り拓く存在へと進化しています。

会社情報

会社名
株式会社ispace
住所
東京都中央区日本橋浜町3-42-3住友不動産浜町ビル3F
電話番号

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