新たな建材の融合、埼玉県さいたま市に登場!
埼玉県さいたま市に、木質建材のCLT(直交集成板)と鉄骨を融合させたハイブリッド構造のテナントビルが2025年9月29日に完成します。このプロジェクトは、ライフデザイン・カバヤ株式会社が運営する『日本CLT技術研究所』の加盟企業である近藤建設株式会社が手掛けたもので、最新技術を駆使した建物として注目されています。完成見学会は、2025年10月9日と10日に行われ、約130名が参加し、その革新性に対する期待が伺えました。
ハイブリッド構造で生まれる新たな魅力
このテナントビルは、大宮駅東口からわずか徒歩5分の場所に位置し、都市部における利便性を提供しています。特に注目すべきは、CLTパネルを耐震壁として組み込んだ独自のハイブリッド設計です。南側の道路に面した耐震壁は、現し仕上げとなっており、周囲の鉄骨やRC造の建物群に調和しながらも、木質感を感じさせる外観が特徴です。さらに、全面ガラス張りのファサードによって、通行人が建物内部を垣間見ることができる開放的なデザインを実現しています。
テナントスペースの最適化
このビルは、1階から5階まで全て同じ間取りが採用されており、光環境解析に基づいてカーテンウォール内のルーバー寸法が調整されています。この仕様により、全階においてテナントの生産性に寄与する光の取り入れ方が統一されており、テナントを誘致するための魅力的な空間となっています。また、東側には階段、西側にはエレベーターが設置されており、共用部分はCLTパネルで囲まれ、これが耐震コアとして機能します。この設計により、通常の鉄骨造と比較し約1.6倍の耐震性を誇ります。
環境への配慮と未来への展望
耐震壁として使用されているCLTパネルは、間伐材を活用し、炭素固定によって建物全体の環境性能を向上させている点も注目されます。このような意匠性に加え、環境負荷の低減が図られ、開放的なテナント環境が創出される次世代型建築モデルとしての地位を確立しました。
なお、この建物は林野庁が認定したCLT活用建築物の実証事業に採択されており、その利便性とひとつのモデルケースとしての役割が期待されています。今後もCLTを活用した中高層建築の普及に向けて、様々な取り組みが進められるでしょう。
【物件概要】
- - 工事名称: (仮称)大宮区大門町テナントビル5階建てプロジェクト
- - 建築地: 埼玉県さいたま市大宮区大門町2丁目26番地
- - 構造: 鉄骨造+CLT耐震壁(ハイブリッド構造)
- - 階数: 地上5階建
- - 建築面積: 255.77m²
- - 延床面積: 1,272.31m²
近藤建設株式会社の手によるこのプロジェクトは、地域に新たな価値をもたらすことが期待されています。今後の展開にも注目が集まります。