暗号資産の確定申告における悩み
最近、株式会社jaybeが運営する暗号資産メディア「JinaCoin」が実施した調査により、日本国内で暗号資産(仮想通貨)の確定申告に関する様々な実態が明らかになりました。この調査は、20代以上の日本在住者351名を対象に行われ、特に注目されたのは、確定申告における悩みの順位や海外への移住を考える投資家の割合です。
課題の実態
調査結果によると、暗号資産で利益を得た経験がある144名中、なんと47.2%もの人が「確定申告をしたことがない」と回答。この背景には、確定申告において最も困難とされる「損益計算の複雑さ」があります。85名がこの複雑さを挙げ、次いで「取引履歴の管理」が65名と続きました。これらの手間が確定申告のハードルを上げているのです。
さらに、国外移住を検討したことがある投資経験者は全体の24.0%、特に暗号資産を10万円以上保有する人ではなんと40.6%に達しています。税負担が現実的な移住の選択肢となっていることは、もはや無視できません。
調査の詳細
調査は2026年4月17日から20日まで行われ、インターネットを通じて行ったものです。351名の回答者には男性202名、女性143名、その他6名が含まれており、一定の多様性が見られました。利益が出たことのある144名を対象にした調査では、過去に確定申告をしたことがある人は32.6%、毎年申告しているのは16.0%だけで、大多数が申告を避けていることが浮き彫りになりました。
確定申告における困難
既に触れたように、特に「損益計算が複雑」という声が圧倒的に多いです。これは、暗号資産において利益が得られた際も、申告の要否が判断しにくいという特徴によるものです。一般的な株式取引とは異なり、暗号資産は特定口座が利用できず、ユーザーが自分で利益を計算し、取引履歴を管理しなければなりません。複数の取引所を利用し、さらには海外取引所や分散型金融(DeFi)を活用している場合、手続きはさらに複雑になります。これにより、多くの人が踏み切れずにいる状況が伺えます。
投資家の海外移住意向
調査対象者179名に対して海外移住・移転を検討したか尋ねたところ、非常に興味深い結果が得られました。76.0%は特に興味がないと回答する一方で、19.5%は「興味がある」、4.5%は「具体的に検討している」とのことでした。特に、過去に利益を得た144名からの回答では26.4%が移住を考えているという結果が出ています。
保有額による影響
暗号資産保有額によって移住希望者の割合は大きく変わりました。10万円未満の保有者では5.3%が移住を考えたことがあるのに対し、10万円以上の場合は40.6%に達するのです。このことから、暗号資産における税負担が、投資家の国内定着に影響している可能性が浮き彫りになりました。
まとめ
今回の調査結果から、暗号資産の確定申告が抱える課題は多岐に渡ることが明らかになりました。特に損益計算の面倒くささや、取引履歴の管理の煩わしさが、確定申告をためらわせる要因となっていることがわかります。また、税負担の影響で海外移住を検討する声も増えており、今後の税制の見直しが求められています。投資家が安心して暗号資産に取り組める環境の構築が、急務であることを示唆しています。