航空自衛隊ブルーインパルスが国産SAFを使用
2025年の大阪・関西万博に向けて、航空自衛隊のブルーインパルスが日本初の大規模に生産された国産SAF(持続可能な航空燃料)を使用することとなりました。この取り組みは、日揮ホールディングス株式会社が製造するSAFを通じて実現しました。これにより、航空分野における持続可能な取り組みがまた一歩進展したと言えます。
SAFの供給とその意義
2023年4月10日、関西国際空港で、日揮グループのSAFFAIRE SKY ENERGYが製造したSAFがブルーインパルスに提供されました。このSAFは廃食用油を原料としており、国内で初めて大規模に生産されたものです。国際認証であるISCC CORSIA認証とISCC EU認証が取得されており、原料から供給まで国内で完結する体制が、国際基準で評価されたのが特徴です。
日本の環境問題解決に寄与する取り組みとして、SAFの利用促進が重要視されており、これにより航空自衛隊においても持続可能な燃料の使用が内外に示されることになります。ブルーインパルスは、2025年4月13日、万博の開幕日正午頃に展示飛行を予定しており、この際に国産SAFが初めて使用されることとなります。これは日本におけるSAF導入の象徴的な試みとして期待されています。
環境への貢献
今後、ブルーインパルスの展示飛行は日本におけるSAFの普及や脱炭素社会の実現に向けた機運を高める良い機会となるでしょう。日揮ホールディングスは、SAFの製造から供給までのサプライチェーンを構築し、環境への配慮を持ち続けています。
また、日揮ホールディングスは2020年からコスモ石油やレボインターナショナルとともに、SAF事業化に向けた検討を行い、SAFFAIRESKY ENERGYを設立しました。この会社は、年間約3万キロリットルのSAF供給を目指しており、2024年12月にはコスモ石油堺製油所にて製造設備が完成する予定です。
今後の展望
自社が提唱する「国産廃食用油を活用したSAF製造モデル」は、エネルギーの持続可能性や環境保護に寄与する重要な仕組みです。国際的な基準を満たすことによって、日本国内でのSAF供給体制も安定化し、航空業界の環境負荷を軽減する助けとなるでしょう。2025年度からは、日本航空や全日本空輸、さらに海外の航空会社への供給も見込まれています。
このように、航空自衛隊のブルーインパルスによる国産SAFの活用は、持続可能な未来に向けた重要なステップとなるでしょう。これからの航空業界における環境の変化と、その中での役割を果たすブルーインパルスに注目が集まります。