インスメッドの2025年第1四半期業績と今後の展望
米国ニュージャージー州に本社を構えるインスメッド(Nasdaq: INSM)は、2025年5月8日に2025年第1四半期の業績およびビジネスアップデートを発表しました。この発表には、売上高の動向や進行中の新薬開発プログラムに関する重要な情報が含まれています。
業績ハイライト
2025年第1四半期において、インスメッドのアリケイス®(アミカシンリポソーム吸入用懸濁液)は、売上高が9,280万ドルに達しました。これは前年同期と比べて23%の成長を示しており、米国、日本、欧州での市場拡大を反映しています。アリケイスは、肺マイコバクテリウムに対する新たな治療法として注目されています。
新薬開発の進展
ブレンソカチブに関しては、気管支拡張症患者を対象とした新薬承認申請(NDA)が進行中で、FDAによる審査がスムーズに進んでいます。目標となる処方薬ユーザー・フィー法(PDUFA)の完了日は2025年8月12日と設定されており、承認されれば速やかな上市が期待されています。
また、TPIP(肺動脈性肺高血圧症患者向けの製品)の第Ⅱb相試験が完了し、来る2025年6月にはトップラインデータが発表される予定です。さらに、慢性副鼻腔炎患者を対象としたブレンソカチブの第Ⅱb相試験も順調に進行中で、2025年末にはデータが得られる見込みです。
経営陣の見解
インスメッドの会長兼CEOウィル・ルイスは、この四半期の成果を受けて「優れた実行力を示した」と評価し、治療薬の上市準備に全力を尽くすことの重要性を強調しました。特に、規制環境の変化に対応しつつ、患者にとっての利益を最優先に考える姿勢が印象的です。
財務状況
2025年第1四半期の純損失は2億5,660万ドルと、前年の1億5,710万ドルから増加したものの、アリケイスの売上成長は明るい兆しと言えます。インスメッドは2025年にアリケイスの売上を4億450万ドルから4億2,500万ドルと予想しており、引き続き新たな治療法の開発に注力する方針です。
今後の展開
今後、インスメッドはアリケイスの市場展開をさらに強化するほか、ブレンソカチブやTPIPの新薬承認取得を目指して、臨床試験の推進を図ります。2025年後半にはTPIPの第Ⅲ相試験の開始も予定されており、これらの取り組みが新たな治療法の確立に貢献することが期待されています。
インスメッドの事業の進展は、今後も目を離せない重要なテーマとなりそうです。