J.D.パワー2024年カスタマーセンターサポート満足度調査発表
最近、株式会社J.D. パワー ジャパンが発表した2024年カスタマーセンターサポート満足度調査では、金融業界における顧客のサポート体験が明らかになりました。本調査は、金融商品・サービスに関するサポートを受けた顧客を対象に実施されています。対象となるサポートチャネルは、コールセンター、オンラインチャット(有人・AIチャットボット)、メール問い合わせ、およびFAQページです。
オンラインサポートの利用率がコールセンターを初めて超える
本年の調査において、オンラインサポートの利用率は53%となり、初めてコールセンター利用率(47%)を上回りました。特にFAQページは最も多く利用されており26%、次いでAIチャットボットと有人チャットがそれぞれ10%、メール問い合わせも9%という結果でした。特に若年層と中年層ではオンラインサポートの利用が増加していますが、高年層でも少しずつオンライン利用が進んでいることが確認されました。
高年層のオンラインサポート利用増加も満足度が低下
ただし、調査結果では高年層のオンラインサポートに対する満足度が大きく低下していることも指摘されました。全体の満足度は前年から4ポイント低下し706ポイントとなった一方で、特に高年層の満足度は前年よりも16ポイントも減少しました。この傾向はオンラインサポート全般に見られ、特に有人チャットにおいては37ポイントも満足度が低下しています。
満足度低下の理由とは
調査では問い合わせにかかる労力を分類したところ、60代と70代の高年層が「高負担」と感じた割合は増加しており、特に有人チャットにおいて最も高い負担感を抱いていることがわかりました。また、問い合わせ時の導入についての評価が低く、「簡単だった」「わかりやすかった」という評価が下がったことも、満足度低下の原因とされています。高年層はコールセンターを利用していた傾向が強く、AIチャットボットやFAQを自己解決型のオンラインチャネルと比較した場合、有人チャットはスイッチしやすい選択肢ではありましたが、わかりにくさが満足度を損ねているという実態が浮き彫りとなりました。
サポート体験を向上させるためには
今後は、高年層を中心とした顧客に向け、オンラインサポートの質を向上させる必要があります。特に有人チャットについては、コールセンターと同等の顧客体験を提供するための仕組み作りが求められます。顧客が感じる負担感を軽減し、理解度に応じた対応を実現することで、オンラインサポートの利用者を増やし、定着を図ることが重要です。
総合満足度ランキング結果
続いて、金融業界のサポート満足度ランキングが発表されました。
全国系銀行部門
1. 三井住友銀行(707ポイント)
2. りそな銀行(704ポイント)
3. 三菱UFJ銀行(698ポイント)
ネット銀行部門
1. ソニー銀行(729ポイント)
2. auじぶん銀行(721ポイント)
3. PayPay銀行(711ポイント)
対面証券部門
1. 大和証券(724ポイント)
2. 野村證券(720ポイント)
3. SMBC日興証券(717ポイント)
ネット証券部門
1. auカブコム証券、松井証券(715ポイント)
2. 楽天証券(700ポイント)
生命保険会社部門
1. アフラック生命(755ポイント)
2. ソニー生命(741ポイント)
3. メットライフ生命(728ポイント)
代理店系損害保険会社部門
1. 東京海上日動火災保険(741ポイント)
2. 三井住友海上火災保険(733ポイント)
3. 損害保険ジャパン(726ポイント)
ダイレクト系損害保険会社部門
1. ソニー損害保険(760ポイント)
2. イーデザイン損害保険(747ポイント)
3. アクサ損害保険(745ポイント)
クレジットカード会社部門
1. アメリカン・エキスプレス・インターナショナル(775ポイント)
2. 三菱UFJニコス(714ポイント)
3. JCB(710ポイント)
J.D. パワーの調査は、改善や発展のための貴重なデータを提供しており、特に高年層におけるサポートの向上が求められています。今後の動向に注目が集まります。