AtCoderの成長と競技プログラミングの未来
日本最大のプログラミングコンテストサイトAtCoderが、このたび全世界での登録者数が80万人を超えたことを発表しました。この数字は競技プログラミングがいかに国境を越え、多くの人々を魅了しているかを示しています。
AtCoderは2016年以降、定期的にプログラミングコンテストを日本語と英語の両方で開催してきました。性別、年齢、国籍を問わず参加可能なAtCoderのコンテストには、多くの参加者が集まり、特に2020年以降、日本人登録者を上回る外国人の参加が目立っています。登録者数は2024年11月に70万人を突破してから僅か9か月で10万人増加し、成長曲線はますます上向きとなっています。
競技プログラミングとAIの接点
近年、競技プログラミングはAI技術の進展とともに新たな局面を迎えています。特にアルゴリズム部門では、ChatGPTのような大規模言語モデルを用いてコンテストに参加する試みが行われ、その実力はAtCoderのレーティングで青から橙色相当であるとの報告もあります。
AtCoderでは、こうしたAI活用の流れに沿った取り組みを強化しています。2025年6月には、AI開発チームのSakana AIと協力し、「ALE‑Bench」(ALgorithm Engineering Benchmark)を立ち上げました。これは、ヒューリスティックコンテストで用いる組合せ最適化問題に関するAIアルゴリズムの性能を評価する新たなベンチマークで、AIの推論能力を客観的に測ることを目指しています。
さらに、2025年7月に開催した「AtCoder World Tour Finals 2025」では、OpenAIが協賛し、AIと一流の競技プログラマーが同じ条件下でアルゴリズムの性能を競い合うエキシビションマッチが実施されました。このイベントは、AI技術の実践とその限界を探る機会として、参加者や研究者から高い注目を集めました。
AtCoderの今後
AtCoderは、ユーザーの皆様の支えを受けながらさらなる発展を目指しています。質の高いプログラミングコンテストの運営を通じて、国籍や年齢を問わず多くの人々に競技プログラミングの魅力を届けるためのサービス拡充を図ってまいります。
AtCoder株式会社は、現在811,393人が登録し、毎週開催される定期コンテストには約12,000人が参加。プラットフォームを通じて、高度IT人材の採用・育成に力を入れる「AtCoderランク」や、プログラミングスキルを可視化する「アルゴリズム実技検定」を提供し、さらなる成長を図っています。
これからもAtCoderは、AI技術の進展を追求しながら、競技プログラミングの未来を切り開く存在であり続けるでしょう。魅力的なコンテストを通して、多くの人々に寄与することに期待が寄せられています。