新しい居住の形「リーズン馬込沢 SuBaCo project」
ポラスグループ株式会社中央住宅が提案した「リーズン馬込沢 SuBaCo project」は、千葉県船橋市に位置する分譲住宅で、2023年4月に発表され、同年11月に完成を迎えました。本プロジェクトは「人と生き物との共生」をテーマに、周囲の自然との調和を重視した住まいを実現しています。
完成前に全戸完売、暮らしのスタイルを反映
このプロジェクトでは、各戸が約55坪の広さを持つため、開放的な住空間が確保されており、自然環境との調和が図られています。同プロジェクトの特徴は、建物の購入者が都内在住者を中心に近隣市町村の方々で構成されていることです。緑が豊かで、自然と共にあるこの住まいは、多くの人々に支持を受け、建物が完成する前に全戸が完売となりました。
住民参加のワークショップでコミュニティ形成
2024年5月には、住民参加によるワークショップが初めて開催され、ここでは鳥たちのための巣箱作りが行われました。また、造園業者を招いて、樹木の管理方法や育成についても学び、参加者は実際の生活に役立つ技術を習得しました。このような活動は、年に2回程度定期的に企画され、住民同士の絆を深める場となっています。
船橋市の戦略に基づく居住空間
このプロジェクトは、東武アーバンパークライン「馬込沢」駅の近く、船橋市の「滝不動風致地区」内にあります。ここでは、建物が建築される際に厳しい環境保全の規制があり、建ぺい率や容積率、建物間の距離などが定められているため、自然風景が保たれることになります。また、各戸の敷地には15%以上の緑化面積が要求され、それがプロジェクトの特色ともなっています。
一方で、多くの樹木を植える必要がある中で、樹木の管理を手間に感じる住民が多いのではないかという懸念もありました。これに対し、樹木の管理に積極的な方を対象にしたコンセプトを打ち出すことで、自然を愛する住民の関心を引きました。
SuBaCoという名に込められた思い
「SuBaCo」は「Sustainability(持続可能性)」、「Biodiversity(生物多様性)」、「Community(コミュニティ)」の頭文字を取った言葉です。また、鳥たちの住む巣箱(SuBa)という意味もあります。住まいづくりにおいて、実をつける樹木を選定し、周囲に生き物が集まる環境を目指しています。建物配置についても、気流シミュレーションを行い、間隔を広く取り、住まいと周辺の風通しを良くする工夫も施されています。
加えて、本プロジェクトでは家庭の内部空間だけでなく外に繋がる特別なエリア、テラスが設けられています。これによって、息の詰まる街中の生活から少しでも開放されることが目指されています。
多様な機能を持つテラスの設計
テラスは色々な機能を持ち、住民のライフスタイルに応じて利用されています。たとえば、植物やペットとの触れ合いを大切にする「グリーンテラス」、お茶や食事を楽しむための「カフェテラス」、家庭菜園を兼ね備えた「アグリテラス」、シンプルにキャンプ道具を運び入れる車のための「キャンパーズテラス」など、その数は多岐にわたります。
「リーズン馬込沢 SuBaCo project」は、単なる住宅ではなく、コミュニティの形成を促し、生き物との共生を実現する新しい形の住まいを提供します。