神戸大学でのAI関連講演
2026年10月24日、神戸市危機管理センターで開催された「第315回 神戸大学RCUSSオープンゼミナール」では、東洋建設株式会社の研究員が最新の研究成果を発表しました。講演のテーマは「AIで海を予測する:気象・波浪予測から防災への挑戦」です。この講義は神戸大学都市安全研究センター(RCUSS)の主催により、安全な社会の構築に向けた知識を深める場として設けられました。
講演の内容
講演では、研究員の増田和輝氏がAI技術を活用した海の予測手法について具体的に説明しました。AIは過去のデータを分析し、さまざまな気象条件を元に波の高さや周期を予測する能力を備えています。具体的には、全国50地点の波浪データを収集し、最大で11日先までの波浪予測を行っています。この成果は、東洋建設が行う海洋土木工事において重要な役割を果たしており、業界でも注目されています。
増田氏は、波浪予測の高解像度化についても触れ、広い海域の波の動きの分布を正確に把握するための研究が進められていることを伝えました。また、沿岸域における波浪分布の推定精度向上に関する取り組みも紹介されました。
防災への応用
AI技術を防災に活用するための新たな課題も提示されました。特に、高波と呼ばれる事象は学習データが少ないため、AIが波の高さを過小評価するリスクがあると指摘されました。これに対処するために、増田氏は数値シミュレーションを利用して学習データを増強する方針を述べました。さらに、波の動きを予測するために必要な物理法則をAIに組み込む研究や、複数の気象・波浪予測データを組み合わせてより精緻な予測を行う取り組みについても詳しく説明しました。
今後の展望
東洋建設は今後も、観測データや数値シミュレーションを用いた研究を進めながら、AIを用いた波浪予測技術の研究開発に注力していく方針です。この技術は海洋工事の安全性や生産性の向上だけでなく、沿岸地域での防災・減災にも大きく寄与すると信じられています。
このように、AIは海洋分野においても多くの可能性を秘めており、今後の進展が期待されています。