大正製薬のナノゾラオートインジェクターがグッドデザイン賞を受賞

大正製薬株式会社の「ナノゾラ®皮下注30mgオートインジェクター」が、2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。このデバイスは、関節リウマチの治療を受ける患者さんが自宅で自己注射を行う際に役立つよう設計されています。長期的な治療を行う患者さんのライフスタイルに配慮し、さまざまな設計の工夫が施されています。特に、手が不自由な患者さんにも使いやすいように太めのデザインとなっており、接触面を楕円形にして注入時の安定性を高めています。また、キャップ部分には凹凸をつけ、外しやすさを考慮しています。操作はボタンレスで、患者さんは単に皮膚に押し当てるだけで薬を注入できるという優れた仕組みです。

この新しいオートインジェクターは、患者さんの痛みを軽減し、自己注射を長期に渡って続けやすくするために、徹底的な聞き取り調査によって改良されてきました。長い治療を続ける過程で、患者さんが感じるプレッシャーや負担を軽減できるよう、デザイナーたちが心血を注いで開発した製品です。これにより、患者さんが自身の希望やニーズに応じた治療を続ける手助けをすることができるでしょう。

グッドデザイン賞は、1957年に創設された日本を代表するデザインの評価制度であり、毎年多くの企業や団体が参加しています。今回の受賞は、デザインの優れた点だけでなく、患者さんの生活の質を向上させるための工夫と努力がなされたことを強く印象づけるものです。受賞のシンボルである「Gマーク」を通じて、さらに多くの人にデザインの力を知ってもらえると期待されています。

関節リウマチは、治療が長期にわたる病気であり、患者さんが治療を中断してしまうことがあるため、自己注射の選択肢を増やすことが重要です。ナノゾラ®オートインジェクターは、これらの課題を克服するために生まれたデバイスであり、医療従事者やデザイナーの努力によって実現されたものです。今後も、このような注射器が患者さんの生活をより良くする役割を果たすことを期待しています。今後の展開にも目が離せません。