再生可能エネルギーの未来
2021-05-06 10:00:05
再生可能エネルギー比率を2030年までに10%引き上げる新提言
日本国内における再生可能エネルギー導入の拡大が急務となっている中、一般社団法人太陽光発電事業者連盟(ASPEn)は、2030年に向けて再生可能エネルギー比率を10%引き上げるための提言書を発表しました。この提言は、現在の政策だけでは再生可能エネルギーの導入が思うように進まない現状を反映しています。
2030年の目標と再生可能エネルギー
2021年の試算によると、2030年までの再生可能エネルギー導入量は、現行政策の継続では約2,707億kWh、政策強化がなければ2,903億kWhに留まる見込みです。他国が40~50%の比率を目指す中、日本は30%到達すら難しい状況にあり、これは我々に深刻な危機感を抱かせています。
本提言では、年間1,000億kWhの再生可能エネルギー電気を供給するために、営農型太陽光発電の導入を進めることが具体的な対策として挙げられています。営農型太陽光発電とは、農業と太陽光発電を組み合わせる形で、耕作地を有効活用しつつエネルギーを生産する方法です。
営農型太陽光発電のメリット
日本国内には約437万haの耕地があり、このうち10万haの農地で営農型太陽光発電を導入することで、年間1,000億kWhの電力生産が実現可能です。これによって得られる農業粗収益は1,100億円から1,200億円に達する見込みです。加えて、営農型太陽光発電は土地の有効活用を進めながら、持続可能な農業とエネルギー生産の両立を図ることができます。
政策の必要性
この提言を実現させるためには、政治的な意志をもって高い再生可能エネルギー導入目標を設定し、必要な政策支援を求めていくことが必要です。具体的には、系統制約の解消や、農業と調和した営農型太陽光発電の研究開発の推進、そして旧来のFIT制度やFIP制度の見直しが急務となります。
次世代への責任
再生可能エネルギーの拡大は、エネルギー自給率の向上や脱炭素化に寄与し、新たな富を地域に生み出します。営農型太陽光発電は、農業の脱炭素化を促進し、次世代に持続可能な社会を手渡すための重要な手段の一つです。改めて、私たちに求められるのは、天候や自然環境に左右されずに安定的なエネルギー供給を提供することです。これを成し遂げるために意味のある行動を起こしていく必要があります。
ASPEnは、営農型太陽光発電を通じて、エネルギーと食料という二大資源の自給率を高め、地域の豊かさを支えていきます。日本のエネルギー未来を見据え、私たちが協力していくべき道を模索していきたいと考えています。これからのエネルギー政策に関する皆様のご意見をお待ちしています。
会社情報
- 会社名
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一般社団法人太陽光発電事業者連盟
- 住所
- 東京都中央区京橋1-6-13金葉ビルディング 6F
- 電話番号
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03-4521-0406