アコード・ベンチャーズが新たに発表した継続ファンドスキームとは
株式会社アコード・ベンチャーズは、最近、出資者の多様なニーズに応えるための新しい流動化ソリューション「継続ファンドスキーム」の提供を開始しました。このスキームは、ファンド運用期間の後期において、既存ファンドが保有する資産の一部または全部を継続ファンドに移管することにより、流動化を実現します。
継続ファンドスキームの具体的な利点
この継続ファンドスキームは、一般的に二つの主な参加者、すなわちGP(ジェネラル・パートナー)とLP(リミテッド・パートナー)に対して、様々なメリットを提供します。まず、GPにとって、既存ファンドが保有する資産を早期に流動化することが可能であり、その結果成功報酬を含むファンドリターンを一部分でも実現することができます。また、継続ファンドにおいて報酬や条件の見直しが行えたり、さらなる投資を募るための追加資金の枠を設けることも可能です。
一方、LPにとっても流動化の選択肢が広がります。流動化を希望する場合には早期分配やファンドの清算を期待でき、さらなる再投資を希望する場合には既存ファンドの上昇を持続的に享受することができます。このように、両者にとってを得ることができる利益が多様化されているため、非常に関心が高まっています。
国内外の経験を活かした流動化ソリューション
アコード・ベンチャーズは長年にわたり、国内外のGP及びLPに対して流動化ソリューションのサービスを提供してきました。これにより、スタートアップエコシステムの強化に寄与し、今後も最適な流動化サービスを提供することに尽力していくとしており、業界の変化に即した柔軟な対応が期待されます。
専門家の視点
本スキーム導入にあたり、アコード・ベンチャーズの代表取締役である石丸文彦氏は、現代の市場環境を鑑みたリターン提供の重要性、ならびにGPやLPに対するさらなる流動化機会の提供を強調しました。出資の早期化や市場環境の変化により、ファンド運用における流動化の必要性が高まる中で、これらのシステムが如何に有用であるかをアピールしました。
また、Bee Alternatives Limitedの井野口敦彦氏は、GP主導型のファンド・リストラクチャリングがグローバルなトレンドであることを指摘し、日本国内でもそのニーズが高まっていることを指摘しました。流動化オプションの提供が、EXITの選択肢が限られた現状でどれだけ自由度をもたらすか、期待が寄せられます。
今回の継続ファンドスキームは、未だ流動化ソリューションの選択肢が限られている日本市場において、GP及びLPの双方に新たなチャンスを提供する重要なステップと言えるでしょう。今後もアコード・ベンチャーズは、このスキームを通じて市場の透明性や効率性の向上に寄与していくことに期待が寄せられます。
企業情報
Bee Alternatives Limitedは、2021年にアント・キャピタル・パートナーズ株式会社から分離し、プライベート・エクイティのセカンダリー投資に特化した独立系運用会社として活動しており、国内市場では最大級のセカンダリーファンドを運営しています。彼らの公式サイト (
こちら) でも、さまざまな流動化ソリューションに関する情報が紹介されています。
このような新しい取り組みは、これからの投資環境をより良くし、ファンド運営における可能性を広げることが期待されています。