カインズとP&Gの協力によるサプライチェーン革新
カインズ株式会社とP&Gジャパン合同会社は、共同ビジネスプラン(JBP)に基づき、サプライチェーンの革新に向けて手を携えることを発表しました。この協働は、物流の効率化や在庫の最適化、店頭での売上の最大化を目指しており、特に2024年に迫る物流課題に対処するための重要な一歩となります。
AI需要予測システムの導入
カインズは、2020年からP&G独自のAI需要予測システムを運用しています。このシステムは各店舗の売上データや在庫状況、将来的な販促計画などを連携させるもので、AIによる精度の高い需要予測を実現しています。これにより、店舗ごとの最適な在庫計画や納品計画の策定が可能となり、トラック単位やパレット単位での早期発注が促進されています。
この仕組みは、トラックの事前確保や積載効率の向上も実現し、全体的な輸送効率を高めることにも貢献しています。その結果、店舗での製品の欠品を防ぎ、オペレーションの効率化も図れるようになりました。2024年以降もこのシステムを活用し、物流全体のさらなる最適化を目指す計画です。
共同輸送の取り組み
さらに、2023年10月からはカインズの配送トラックが、北関東エリアの流通センターから店舗への輸送を行った後、帰り便でP&G高崎工場の物流センターを経由してP&G製品を運搬する共同輸送の試験運用が開始されました。この取り組みは、通常の物流では成しえなかった新たな効率化を目指すものです。
この試験運用においては、トラックの待機時間やドライバーの労働時間を削減することが確認され、2024年7月からは全国の流通センターを通じた共同輸送が本格的にスタートします。これによって、より効率的かつ低コストな物流ネットワークの構築が期待されています。
持続可能な物流の構築
カインズのサプライチェーンは、「世界を、日常から変える。」というビジョンのもと、国内外のサプライヤーとの強力な連携をもとに構築されています。13,000点を超えるオリジナル商品は、高効率かつ安定的なサプライチェーンによって全国240店舗に供給されています。これには、需要予測に基づいた在庫管理システムの導入も含まれ、顧客ニーズに応じた商品展開が実現しています。
一方、P&Gは世界的な日用品メーカーであり、その革新的なサプライチェーンは高く評価されています。デジタル技術とAIの活用が進められ、業界のリーダーとしての地位を確立しています。
このように、カインズとP&Gの協働は単なるビジネスの枠を越え、持続可能で効率的な物流の実現に寄与する重要な活動です。今後も両社は共同輸送に関するさらなる検討を進め、消費者に高品質な商品を安定的に提供できる体制を強化していくでしょう。