「鈴与株式会社がモーダルシフト推進で物流業界の革新を目指す」
静岡県清水区に本社を構える鈴与株式会社と鈴与カーゴネット株式会社が、国土交通省から令和6年度の「モーダルシフト等推進事業」に採択され、補助金の交付を受けることが決定しました。この新たな取り組みは、環境保護と効率的な輸送の実現を目指すものであり、業界における大きな変革を予感させます。
クレシア物流モーダルシフト推進協議会
まず、クレシア物流モーダルシフト推進協議会では、千葉県から福岡県への輸送に関する新しいアプローチが導入されます。この協議会には、クレシア物流株式会社も参画しており、従来の大型車による長距離運輸から、より環境に優しい船舶モーダルシフトへと転換します。
具体的には、2024年9月1日から東京-福岡間の船舶によるモーダルシフトが実施され、このプロジェクトによって年間48.8トンのCO2排出を34%削減し、ドライバーの運転時間も年間1,766時間にわたって大幅に削減することが見込まれています。この取り組みは、車両の運行回数を減らすことで渋滞緩和にも寄与することが期待されています。
ヤマタネモーダルシフト推進協議会
続いて、ヤマタネモーダルシフト推進協議会も注目のプロジェクトです。こちらの協議会は、宮城県から千葉県への幹線輸送を集約化することで、輸送効率を高めます。10トントラック2台を利用した輸送から、トレーラーを活用した輸送形態に変更し、2024年11月1日に開始が予定されています。
このプロジェクトにより、年間14.6トンのCO2排出量を38%削減し、ドライバーの年間運転時間も164時間(30.7%)削減することが可能となります。集約化による効率化は、物流業界の課題解決に寄与するだけでなく、運転手の労働環境改善にも繋がるものと期待されています。
持続可能な社会の実現に向けて
鈴与株式会社と鈴与カーゴネットは、いずれの取り組みを通じて、2024年問題に立ち向かうべく、フェリーやRO-RO船を活用した環境に優しいモーダルシフトを推進しています。また、数多くの中継拠点を活用した中継輸送を行うことで、ドライバーの残業時間を削減し、環境への負荷を軽減していく意向です。
これらのプロジェクトは、単に業務効率を上げるだけでなく、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップでもあります。これからも物流業界の未来を見据え、荷主様や荷受人様、物流業者様と共に新たなソリューションを提案していくことでしょう。
このような革新的な取り組みは、持続可能な未来に向けたひとつの企業の模範として業界全体に波及効果を生む可能性を秘めています。