失われたビットコインを救う新サービスBtcSalvage
株式会社デイジーデジタル(札幌市中央区)は、2024年7月20日に新たなウォレット・リカバリーサービス「BtcSalvage」の運用を開始しました。これは、ユーザー参加型のサービスで、パスワードを紛失した暗号化ウォレットの復旧を目指します。また、同日より、解析作業を行うためのアプリ「CryptoDiver」がiOSとAndroid向けに無料でリリースされました。
暗号資産の復旧を手助けする新しい仕組み
BtcSalvageは、暗号資産ビットコインを保管するための暗号化ウォレットのパスワードを紛失したユーザーが利用できるサービスです。暗号資産の統計によると、現在約392万BTC(約37兆円)がパスワードを失ったために使用できなくなっています。これらのウォレットをリカバリーするための方法は従来いくつかありましたが、総当たり方式での解析を行うサービスは存在しませんでした。この新サービスは、世界中のスマートフォンやPCユーザーが協力し、膨大なパスワードの組み合わせを検証することで、パスワードの再取得を目指します。
クリプトダイバーとして参加する
CryptoDiverアプリに登録することで、ユーザーは「クリプトダイビング」と呼ばれるパスワード検証作業に参加できます。この過程で解析ポイントが付与され、発見されたパスワードに応じて、ウォレット保有者から報酬としてビットコインが支払われます。報酬は、アプリ利用者が持つポイントに基づき分配されます。
最初のサルベージ依頼は、340BTC(約10億円相当)のウォレットが対象となっており、その解析成果は参加したユーザーに報酬として還元されます。この取り組みは、多数の参加者がいなければ成り立たないため、協力の輪を広げることが重要です。
特徴的な運営システム
BtcSalvageの運営には、CryptoDiverアプリとCryptoDroneプログラムが役立っています。CryptoDiverはスマートフォン用、CryptoDroneはPCでも利用できる確認専門プログラムです。参加者はアプリ内でポイントを獲得でき、そのポイントは将来的にさまざまなアイテムと交換可能です。また、参加者による分析作業を通じて、報酬が投入されてゆく流れができひとりあたりの負担を分散します。
さらなる展開に期待
今後、CryptoDiverのアプリはアメリカやアジアにも配信される予定であり、ユーザー数の増加が期待されています。さらに、Windows版のCryptoDroneプログラムもリリース予定とクリプトダイビングの可能性が広がります。これらの画策は、単にウォレットの救出を目的としているだけでなく、より広範なユーザーエクスペリエンスを提供するための重要なステップとなります。
エンターテインメント要素の追加
デイジーデジタルの代表取締役である髙津譲次さんは、「BtcSalvageサービスを通じて、暗号資産のパスワード解読というセンシティブな問題にエンターテイメントの要素を加えたい」とコメント。新サービスの開発では、法務面や技術的な課題に対する理解も深まりました。今後もこのプラットフォームを充実させていくことを目指しています。
この新たな試みによって、失われた暗号資産を再び手元にするチャンスが増えるかもしれません。失われたビットコインが救われる日を待つ多くのユーザーにとって、心強いサポートが今、始まろうとしています。