ゼロカーボン社会実現に向けた人財育成の重要性
2025年10月29日、大阪府で開催されたシンポジウムで、あらゆる企業が参加するゼロカーボン社会への道のりや、中小企業が直面する課題について、ディエスジャパンの代表取締役、北條陽子が熱い思いを語りました。このイベントは大阪ゼロカーボン・スマートシティ・ファウンデーション(OZCaF)が主催し、戦略的な公民連携の必要性がテーマとなりました。
2050年目標へ向けた公民連携の必要性
日本が目指す2050年のカーボンニュートラルは、大企業だけの責任ではありません。実際、中小企業の73%が具体的な行動指針を持たずにいるという現状があります。これを克服するためには、企業と行政が手を取り合い、知見を共有することが不可欠です。OZCaFは、会員同士が協力し合いながら具体的な脱炭素プロジェクトを推進する場として非常に重要な役割を果たしています。
ゼロカーボン社会実現に必要なのは「環境人財」
万博後の関西において、「環境人財」をどう育成するかが鍵となります。単に「モノ」や「技術」を持っているだけでは不十分です。その技術を活用し、社会に実装できる人材が求められています。この育成が成功すれば、企業の持続可能性が大きく向上し、ひいては地域全体の発展につながるでしょう。
中小企業のビジネスチャンス
現在、脱炭素への動きは主に大企業が先行していますが、中小企業にとっても新たなビジネスチャンスが無限に広がっています。自社のエネルギー使用や業務プロセスを見直すことで、コスト削減や生産性向上が見込めます。特に関西地域は、高度な技術を持つものづくり企業が多数存在するため、これを活かせる人材の育成が必要です。
環境人財育成の3つの像
北條氏は、環境人財を育成するために3つの人材像を提案しました。
1.
グリーンビジネス・プロデューサー: 環境規制などを新しいビジネスの機会として捉え、実行可能なプランを策定できる人。
2.
GX × DX人材: 環境とデジタル技術を組み合わせた、新たな価値創造が可能な人材。
3.
サステナビリティ・コミュニケーター: 企業の環境への取り組みを効果的に伝え、企業価値を高める役割を果たす人。
ディエスジャパンの実践
ディエスジャパンでは、中期経営計画の中で「新グリーン戦略」を策定し、全社員が参加するボトムアップ型のプロジェクトチームを設置しました。具体的な目標如「CO2排出量を46%削減する」という目標を設定し、全スタッフがその実現に寄与する意識を高めています。
例えば、231台あった営業車の削減に成功し、「車が必要な場面は本当にあるのか?」という新たな視点を生み出しました。加えて、社員が環境問題に取り組む意識が醸成され、自己成長への意欲も高まっています。この取り組みは組織全体にポジティブな変化をもたらしています。
協業が未来を創る
北條氏は、2050年のカーボンニュートラル達成には、単一企業の努力だけでは不十分であり、業界を超えた協業が求められると強調しました。多様な団体が参加するOZCaFは、その協業を実現するプラットフォームとして機能しており、未来の挑戦者たちに向けた重要な基盤を提供しています。
結論
私たちの未来は、2050年に向けて今から育成する人財によって大きく変わります。ゼロカーボン社会の実現に向けて、関西が新たな挑戦を担うための人財育成に今すぐ取り組むことが、持続可能な地域社会の構築に繋がるでしょう。