岡山大学が新たな大腸がん内視鏡診断法を発表
国立大学法人岡山大学が、大腸がん予防に向けた新しい内視鏡診断法を開発しました。この手法は、従来の内視鏡観察法に比べて、大腸ポリープの検出率を有意に向上させることが期待されています。
新技術のポイント
この革新的な診断法では、酢酸とインジゴカルミンを混合した液体を用いているため、平坦な状態にあるポリープをより容易に発見することができます。特に、予後が不良とされる右側大腸がんの予防に大きな成果が見込まれています。
この研究は、岡山大学病院の消化器内科の衣笠秀明助教を含む医療機関との共同研究として行われました。参加医療機関は、愛媛県や広島県、香川県、兵庫県、愛知県など複数にわたり、連携して進められました。
研究結果の発表
この独自の診断法に関する研究成果は、2025年3月13日、アメリカの消化器病学に関する専門誌『American Journal of Gastroenterology』に掲載されました。大腸がんによる罹患率や死亡率が依然として高い中で、特に右側大腸がんの対策は、国際的にも重要なテーマとされています。この新技術の導入により、早期発見に貢献できると期待されています。
効果的な診断法の可能性
衣笠助教は、新たな診断手法について「特殊な機械や技術は不要で、どの医療機関でも実施可能である」と述べ、今後の普及に自信を示しています。この方法が、大腸内視鏡診療のスタンダードになる日が近づいていることを示唆しています。
研究資金と今後の展望
この研究は、日本学術振興会の科学研究費助成金や日本内視鏡研究振興財団の支援を受けて進められています。岡山大学では、さらに多くの病院と連携し、内視鏡診断の精度向上に向けて研究を続けていく予定です。
論文情報
今回発表された論文のタイトルは『Acetic Acid-Indigo Carmine Chromocolonoscopy for Proximal Serrated Lesions: A Randomized, Three-Arm Colonoscopy Study』で、詳しい情報は専門誌の公式サイトで確認できます。
お問い合わせ
研究に関するお問い合わせ先は、岡山大学病院消化器内科の衣笠秀明助教まで。電話やファックスなどの連絡先も用意されており、関心のある方はぜひ連絡してください。
岡山大学は今後も、地域への貢献やSDGsを意識した研究の推進を行い、健康寿命の延伸に貢献していく方針です。