女性の問題を知る
2025-05-08 15:20:13

歴史に語られなかった女性たちの物語、イギリス発ジェンダー絵本が文庫化!

進化するジェンダー意識を描いた絵本『問題だらけの女性たち』



挑戦的なタイトルの背景



19世紀の女性に関する誤解や偏見を笑い飛ばす、イギリス発のジェンダー絵本『問題だらけの女性たち』がついに文庫化される。河出書房新社から2025年5月8日に発売予定のこの本は、著者ジャッキー・フレミングが描く皮肉とユーモア満載の作品である。

不可思議な女性観の嘲笑



歴史の中で女性が直面した数々の非合理な迷信や固定観念に焦点を当て、フレミングは19世紀のありえない女性観に対して鋭い視点を向ける。たとえば「女の脳はスポンジ」とされ、知的劣等感を抱かされた女性たちの姿や、「自転車に乗ると貞操を失う」といった風評がどれだけ愚かなものであったのか、その背後にある文化と社会の歪みを浮き彫りにしている。

ユーモアが持つ力量



本書の最大の魅力は、フレミング特有のユーモアにあり、彼女は笑いを武器に、過去の不条理をより際立たせることに成功している。訳者の松田青子は、この作品が「ユーモアを備えたとき、怒りはかつてないほどの強さと飛距離を獲得する」ことを証明したと語る。彼女の翻訳によって、日本の読者もまた、この作品の持つメッセージを感じ取ることができるだろう。

現代に生きる私たちへのメッセージ



フレミングは、今なお蔓延している旧い価値観や差別的な思い込みを批評し、過去の教訓を現代に生かす方法を示唆している。多くの女性たちが直面した「やばさ」を批判することで、私たちの社会がどれほど進化したのか、あるいは、まだ解決すべき問題が残っているのかを問いかけてくる。彼女は、「この本に登場する、そして登場しない、社会に抵抗した無数の女性たちのように声を上げていくことで、私たちの歴史を紡いでいくことができる」と強調する。

新たな読者層へ



『問題だらけの女性たち』は、2018年の初版刊行以来、多くのメディアで取り上げられ、大きな話題を集めた。その際、著名な書評家からも高評価を得ている。特に、岸本佐知子氏は本書を「ユーモアを備えたとき、言葉の力を示す一冊」と評した。この新たな文庫版刊行は、これまで作品に触れなかった読者にもその魅力を伝える良い機会となるだろう。

フレミングの革新性



著者ジャッキー・フレミングは、「フェミニスト漫画家」として知られ、ロンドンを拠点に活動している。彼女の作品は、そのユーモラスな視点から社会の問題にアプローチし、読者に気づきを与える。また、訳者松田青子も独自の文体でフレミングの意図を表現し、日本の読者に親しみやすく伝える役割を果たしている。

未来を見据えた一冊



文庫版は136ページと手に取りやすい仕様になっており、価格も手頃な990円(税込)で手に入る。この作品を通じて、過去の不条理を再認識し、今を生きる私たちがどう向き合うかを考えさせられる。一冊の本がもたらす力は計り知れない。ぜひ手に取って、歴史を再び見つめ直してほしい。


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会社情報

会社名
河出書房新社
住所
東京都新宿区東五軒町2-13
電話番号
03-3404-1201

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