AIドローン活用で林野火災対応を迅速化する新ソリューション
TOPPANエッジ株式会社とFaroStarの協業が発表され、林野火災に対する消防の初動対応を支援する新たな取り組みがスタートします。このプロジェクトは、AI技術を搭載した監視ドローンとメッセージ配信サービスを組み合わせることで、迅速な情報収集と伝達を可能にします。実際のソリューションは2023年12月15日から提供を開始する予定です。
協業の背景と目指すもの
日本国内では、年間約1,300件の林野火災が発生しています。延焼スピードが速く、火災発生場所での水源の不足といった特有の課題から、消火作業は非常に難しくなっています。情報共有の遅延も問題で、従来の方法では電話やメールによる手動伝達が主流のため、初動が遅れるケースが多々ありました。これらの問題に対して、TOPPANエッジとFaroStarはデジタル技術を用いて新たな解決策を提供します。
次世代AI監視ドローン「Grabee」
FaroStarが開発した「Grabee」は、自律飛行やAI映像解析、位置推定技術を駆使して火災を早期に発見します。ドローンには赤外線カメラが搭載されており、熱源をリアルタイムで特定。炎や人、動物などを即座に判別し、正確な発生位置を把握することができます。この情報はFaroStarのアプリ「FaroStarVision」に自動的に登録され、地図上で視覚的に確認可能です。
メッセージ配信サービス「EngagePlus®」
今回の協業では、TOPPANエッジが提供する「EngagePlus®」というメッセージ配信サービスと連携します。このサービスにより、消防関係者に対して、登録された電話番号へSMSや「+メッセージ」を介して緊急情報を迅速に伝えます。実際に、SMSの到達率は約80%であり、高い信頼性を持つことから、重要な情報を逃すことがありません。
今後の展望と目標
TOPPANエッジとFaroStarは、今後も行政や地方自治体に対してこの林野火災検知・通知ソリューションの普及を目指し、2030年までに300件以上の採用を目指します。さらには、今回のソリューションに加え、ドローン技術やTOPPANグループの提供する情報集約サービスなどとの連携を進め、土砂災害や洪水など、さまざまな災害に対する効率的な防災対策を強化していく方針です。
この協業は、林野火災に対して従来の手法から一新し、デジタル技術を駆使した新しい形の消防活動を提案するものです。これにより、多くの人命や財産を守ることが期待されます。