東御市梅野記念絵画館 特別展 ‘STRIPE’の魅力
2023年9月6日から11月3日まで、長野県東御市にある梅野記念絵画館で特別展 ‘STRIPE’が開催されます。この展覧会は、戦後80年という節目を前に、独特の視点から日本の前衛美術を掘り下げる魅力的なイベントです。
展覧会の意義
戦後の日本では、多くの前衛作家たちが困難な状況を乗り越え、新たな表現を模索してきました。本展では、そんな歴史の中で、長谷川三郎や吉原治良といった日本の抽象運動の先駆者たちの作品も紹介されます。彼らは、戦後の荒廃した社会の中で独自のアプローチを確立し、現代美術の大きな流れを形成しました。
山田正亮の特異なパースペクティブ
特に注目したいのは、孤高の抽象画家・山田正亮の作品です。彼は300点以上のストライプ絵画を生み出し、その中にはアメリカ・モダンアートと共鳴する表現もあれば、日本的な美が宿る繊細な色彩の調和も見られます。そのユニークなスタイルは、1960年代のストライプ絵画として高く評価され、2016年には大規模な回顧展も開催されました。
展示内容
本展では、梅野コレクションから厳選された10点の作品や、山田正亮に関する資料を含む58点が展示されます。各展示は、歴史的な文脈の中でこれらの作品がどのように影響を与え合ったのかを示しています。
展示構成
1.
序章 - 梅野コレクションの前衛
2.
第一章 - ‘空白’から静物、そして抽象へ(1948~1959)
3.
第二章 - 反復する絵画への到達(1960~1969)
4.
第三章 - ‘集積された平面’へ(1970~1979)
5.
第四章 - ‘円環’の成立(1980~1995)
このような構成で、観覧者は戦後の美術がどのように発展してきたかを感じ取ることができるでしょう。
関連イベント
特別展に合わせて、さまざまな関連イベントも行われます。特に興味深いのは、オープニング講演会です。講師の岡部昌幸氏が山田正亮の作品について語ります。また、記念講演会やワークショップなど、家族連れにも楽しめるプログラムが用意されています。
- 日時:9月6日(土)14:00~
- 聴講無料
- 日時:10月5日(日)14:00~
- 聴講無料
- 日時:10月5日(日)午前の部10:00~ / 午後の部13:30~
- 参加費:700円(要予約)
訪問情報
この特別展は、一般800円、中学生以下は無料で入館できます。また、10月7日にはナイトミュージアムも開催され、17時以降は入館が無料です。
まとめ
東御市梅野記念絵画館の特別展‘STRIPE’は、ただの美術展ではなく、戦後日本の美術史に深く根差した特異な体験を提供します。未公開作品との出会いを通じて、戦後の前衛美術に触れる貴重な機会をお見逃しなく!