入道埼灯台の活用と新たな観光資源創造に向けた検討会
2024年8月28日、秋田県男鹿市の入道埼灯台にて、新たな観光資源創造を目指した「灯台×ジオパーク×郷土料理」に関する有識者検討会が開催されました。このイベントは日本財団の「海と日本プロジェクト」の支援を受け、地域の海の記憶を再発見し、灯台を中心とした新たな海洋体験を創造することを目的として実施されました。
検討会の概要
検討会には、男鹿市の菅原市長を始め、多くの専門家が参加し、入道埼灯台を起点とする新しい観光プランや、周辺地域の活性化について熱心に意見を交わしました。テーマは地域のジオパークや郷土料理を取り入れ、灯台を観光資源として活用する方法についてです。
会場となった男鹿市役所では、午後1時30分から会議が始まり、参加者は各自の専門性を持ちながら自由に発言しました。特に菅原市長は、このプロジェクトが男鹿市の観光に与える影響の大きさを強調し、地域の魅力を最大限に引き出す重要な事業であると述べました。
参加者からの見解
阿部秋田海上保安部交通課専門官は、入道埼灯台の歴史的背景として、戦時中にも崩れることなく残ったその意義や、唯一の白黒模様の灯台という希少性を語り、その価値を再認識しました。
また、男鹿半島・大潟ジオパークガイドの丸山さんは、灯台からの美しい景色や、その立地がどれほど貴重であるかを述べ、ガイド活動に役立てていきたいと意欲を見せました。
石焼料理の文化と地域資源
男鹿温泉郷の雄山閣から出席した山本さんは、男鹿に伝わる「石焼料理」の歴史について話し、1903年にはすでに食されていたことを明らかにしました。フードコーディネーターのたなかさんは、石焼料理の調理法が他の国にも存在していることや、その美味しさがどのように生まれるのかを解説しました。このように、専門家たちの意見は様々で、灯台を挟んで広がる文化の多様性を示すものでした。
今後の展開
検討会の最後には、参加者全員で「石焼料理」の起源や歴史を整理し、公式な使用方法を提案する意見が上がりました。このつながりを基に、9月下旬に開催予定のワークショップで、入道埼灯台、ジオパーク、郷土料理の相関関係を再検証し、実際に観光事業として成立するかどうかを調査する予定です。
次回のワークショップでは、さらなる意見を集めて、具体的な観光プランとしてどのように実装するかを議論します。10月には一般参加者を 一緒にモニターツアーを行い、今回の検討を基にした新しい観光体験を提供する予定です。
入道埼灯台の魅力
入道埼灯台は明治31年に初めての鉄造灯台として建設された歴史ある存在です。2400mという高さを誇り、日本一のフレネルレンズを使用していました。その名残は今も健在で、多くの観光客が訪れています。コンクリートで造り直された現在の灯台は、白黒の美しいデザインが特徴で、他の灯台とは異なる特異な魅力を放っています。
結論
入道埼灯台の利活用事業は、観光資源としての大きな可能性を秘めています。専門家たちの意見をもとに、地域との連携を強め、男鹿市の未来の観光事業を確立するためには、地域内外の人々の参加と支援が不可欠です。灯台を核とした新たな観光プランが実現する日が待ち遠しいです。