小型ドローン「IBIS」と水道管点検
株式会社Liberawareは、株式会社デックとKDDIスマートドローンが共同で、水道管点検に革命的なアプローチを実現したことを発表しました。近年、老朽化した水道管の更新作業は様々な工法が用いられていますが、同社は「IBIS」という小型ドローンを導入することで、安全性の向上と作業効率の劇的な改善を果たしています。
ドローン導入の背景
従来の点検作業では、直径80cmの水道管内部を実際に人が腹這いになって進み、溶接部分の確認を行っていました。この作業は危険を伴い、また体力的にも厳しいものでした。そこでデックは、KDDIスマートドローンに相談し、狭い空間でも安定して飛行できるドローン「IBIS2」を導入することを決定しました。これにより、点検はより確実に、安全に行えるようになりました。
IBIS2の特長
KDDIスマートドローンの山崎氏がコメントするように、IBIS2は狭小空間での点検において高い実績を誇ります。他のドローンでは起こりがちなダウンウォッシュによる飛行の不安定さを克服し、スムーズに管内を移動することができます。この特性が、成功した原因の一つです。
点検の成果
今回の点検プロジェクトでは、IBIS2を使うことでいくつかの重要な成果を上げました。まず、施工状態を全線にわたって連続して記録することに成功しました。特に困難だったのは管の終端部で、クランク状に下がっている場所や、開閉弁が設置されている狭い部分もあったため、人では難しい確認が求められました。しかし、IBIS2はその特性を活かし、すべての工程を無事に終えました。
工期の大幅短縮
また、点検にかかる工期も大きく短縮されました。従来、点検作業にはおおよそ3日間かかっていましたが、IBIS2を使用した結果、工事対象区間の確認はたったの2日で終わらせることができました。この短縮は、道路規制を最小限に抑え、交通への影響を軽減するためにも非常に有効です。
新設管の経年変化の追跡可能に
さらに、IBIS2を使用することで、従来の写真記録に加え、連続した映像データを取得することが可能になり、施工後の経年変化を追跡しやすくなりました。これにより、今後の維持管理が飛躍的に向上することでしょう。
株式会社Liberawareについて
Liberawareは「誰もが安全な社会を作る」をミッションに掲げ、特に危険で狭い空間の点検に特化した小型ドローンを開発しています。同社の技術は、見えないリスクを可視化し、人々に安全で平和な社会を提供するために成長を続けています。
会社設立は2016年で、千葉県千葉市を拠点とし、独自の技術力で業界の発展に寄与しています。今後も、持続可能な社会の実現に向けた新たな技術の展開が期待されます。